医学部と薬学部の難易度、勉強量は違うよという話


医学部に進学して、勉強し医師国家試験に合格すれば医師になります。

薬学部に進学して、勉強し薬剤師国家試験に合格すれば薬剤師になります。

医師も薬剤師も世間一般から見ればとても専門性の高い仕事ですよね。

普通の家庭のお子さんが、医学部や薬学部に合格すれば、どちらも親戚たちの中でがんばったねー」「賢いねー」って言われることでしょう。

しかし、実際、医学部と薬学部は、その難易度、勉強量がまったく違います。

世間の人は、薬学部も医学部もどっちもすごいと思うんでしょうけどね。

私も高校時代に薬学部に合格したのですが、親戚から「医学部だったっけ?」なんて聞かれて、とても嫌でした。

親戚にとっては大差なのでしょうが、受験した側としては医学部と薬学部の難易度の違いと、必要な受験勉強の量の差を痛感していたからです。

本記事では、医学部と薬学部の難易度、勉強量は違うよという話を記しておこうと思います。




医学部と薬学部は受験勉強の難易度が全く違う


医学部も薬学部もどっちも受験で合格するのは難しいんでしょ?って思っているひとがいますよね。

でも実際はそうではありません。

受験の難易度を考えるときの指標は「偏差値」です。

医学部であろうと、薬学部であろうと、東大や京大などの有名な難関大学ではこの「偏差値」はとても高いです。

一方で、非有名大学の医学部と薬学部をみてみると、いかに医学部の難易度が、薬学よりも高いかが分かります。

薬学部は、国公立大学や歴史のある私立大学だけでなく、地方の、比較的小規模の私立大学にも設置されていたりします。

これらの私立大学の薬学部は、偏差値40を切る大学もあるのです。

そのため、大学を選ばなければ、薬学部に進学すること自体は全く難しいことではありません。

普通に薬学部をめざして、これら偏差値40を切る大学を「すべり止め」として利用したっていんですから。

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ところが医学部の場合、難易度が最低クラスの私立大学、例えば川崎医科大学でも偏差値60台前半です。

これは、地方の国公立大学の工学部や薬学部に合格できるレベルなんです。

さらに、このレベルの医学部では、すべり止め目的や、どうしても医学部に入りたいという学生が殺到し、競争倍率が高くなってしまいます。

そのため偏差値以上に、体感難易度が高くなりますよね。

薬学部と医学部を比較すると、受験勉強の難易度が圧倒的に異なってくるということです。

医学部と薬学部は受験勉強量が全く違う


もうひとつ、受験勉強について書いておくと、医学部と薬学部ではその「量」が異なります。

ほとんどの医学部では国公立、私立ともに、数学・英語・国語・社会・理科の全教科が入試で課されるため、すべてまんべんなくこなす必要があります。

一方で薬学部の場合、一部の大学では限られた教科のみ対策すればOKです。

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受験勉強の量としては、薬学部は医学部の4分の1から5分の1でもなんとかなるんじゃないでしょうか。


難易度が高い医学部を諦めて薬学部に来る人が多い


実際、薬学部には、医学部を目指していたけれど、あきらめて薬学部に来たという学生がたくさんいます。

薬学部では、彼らは別に成績が悪かったり、留年したりはしません。

優秀な学生も多いです。

それだけ医学部の難易度が薬学部よりも高いことを物語っています。

彼ら、彼女らは薬学部受験とは一つ上のレベルで戦っていたというわけです。

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薬学部も医学部も6年間だけど、勉強量は…?


では、大学入学後の難易度、勉強量はどうでしょうか。

薬学部も医学部もどちらも6年間です。

だから、同じくらい勉強するのかな?と思ったら大きな間違いです。

薬学部は2006年から6年制になりましたが、それまでは4年制でした。

6年制になった主な理由は、医療現場での「臨床実習」を充実させるためです。

つまり、いわゆる「勉強」というイメージの座学の部分については、2年間分も増えていません。

あくまで「臨床実習」が増えたのです。

一方で、医学部の場合、現場での本格的な臨床実習は、医師免許取得後の研修医時代に行い、在学中の6年間はみっちり「勉強」させられます。

将来的に薬学部のカリキュラムがどうなるかはわかりませんが、薬学部と医学部では同じ6年制でも、勉強量・密度が全く異なるのです。

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薬学部と比べて医学部の勉強量、範囲は広い




医学部と異なり、薬学部の勉強は基本的には(生化学や物理化学も含めた)「化学」が中心です。

ほんの少し生物や解剖学を学びますし、学部の後半で医療での薬学の応用(医療薬学)を実際に勉強しますが、いずれも化学の基本を理解できれば何とかなるのです。

薬剤師は、あくまで医薬品の取り扱いを行う仕事で、患者に触れることが無いから医薬品自体の知識があれば良いのです。

一方医学部では、薬学部で学ぶような「薬」に関することに加えて、解剖学や手術手技などの人体に関することも学ばないといけません。

医療機器もたくさん扱うので、それらの知識も必要です。

医療従事者は、薬剤師、看護師、放射線技師など様々ですが、医師は基本的にすべての分野に精通していないといけません。

国家試験の難易度を見ればわかる医学部と薬学部の違い


医学部の場合、卒業時に医師国家試験を受験します。

薬学部えは薬剤師国家試験ですね。

合格すればそれぞれ、医師と薬剤師になれます。

この国家試験の合格率ですが、いずれも毎年平均90%程度の合格率なんです。

同じくらいの難易度かーって思うかもしれませんが違います。

薬剤師国家試験に受かる気がしない時に考えるポイントはこれだ! もともとの学生の質が違うからです。

上述のように、医学部の場合、薬学部よりもはるかに激しい競争を勝ち抜いた、賢い学生ばかりのハズです。

高校でいったら皆、学年のトップクラスの人たちでしょう。

かたや、薬学部の学生には偏差値40切ってるような人も混じって、薬剤師国家試験を受験します。

それで、薬剤師と医師で同じくらいの国家試験合格率なんです!

明らかに、圧倒的に医師国家試験が難易度が高いというのが分かりますよね。

医学部と薬学部の難易度、勉強量は違う:まとめ


医学部と薬学部は世間では同じように思われている節がありますが、実際にはその難易度、必要な勉強量は全く違います。

医学部に進学し、医師になれるのは一部の秀才・エリートで、かつ、医学部での6年間の勉強を乗り越えた人だけです。

一方で、薬学部では、そんなに勉強が得意でなくても、何とかなるレベルです。

特に秀才やエリートでなくても、頑張って周りについていけば薬剤師になれるのです。
(これは考えようによっては、良いことですね)

だから、薬学部に合格したり、在籍してるのに、遠い親戚から医学部と間違われると、恥ずかしくなってしまいます…

では。

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