獣医学部は何年制?就学年数は4年制と6年制を間違えないように!

獣医学部は何年制

大学の獣医学部は何年制かご存じでしょうか。

将来、獣医師になりたい、あるいは大学で獣医学を学びたいと考えた場合、まず「獣医学部」という進路が頭に浮かぶかと思います。

結論を言うと、獣医学部は4年制と6年制のところがあります。

ただし、4年制と6年制の獣医学部には決定的な違いがありまして。

将来、「獣医師」になりないのであれば、6年制の獣医学部を卒業したのち、獣医師国家試験に合格しなければなりません。

4年制の獣医学部では、何年かかっても、どんなに努力をしても獣医師になることはできないのです。

こういった4年制の獣医学部では、獣医師になるためのカリキュラムではなく、純粋に「畜産学」や「獣医学」「動物生命科学」を学ぶことになりますね。

また、ややこしいことに、獣医学部ではなく、「農学部」や「畜産学部」の中に、6年制の「獣医学科」があり、それらを卒業すれば、「獣医師」になれたりもします。

ただし、いずれにしても「6年制=獣医師になれる」「4年制=獣医師になれない」といった構図になっています。

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今回は、「獣医学部は何年制?」「何年大学で学ぶ必要があるのか」という点を中心に、獣医学部で学んで獣医師になる流れについて解説してきます。





獣医学部は何年制?→6年制と4年制がある


冒頭でも書いたように、日本の大学の「獣医学部」は、学科によって6年制と4年制の二つのパターンがあります。

いわゆる「獣医学部」を持っている大学は、記事執筆時点では、下の6大学でして、それほど多くありません。

・北海道大学(国立)ー 獣医学部(6年制)

・酪農学園大学(私立)ー 獣医学群 ー 獣医学類(6年制)、獣医保健看護学類(4年制)

・麻布大学(私立)ー 獣医学部 ー 獣医学科(6年制)、動物応用科学科(4年制)

・北里大学(私立)ー 獣医学部 ー 獣医学科(6年制)、動物資源科学科(4年制)

・日本獣医生命科学大学(私立)ー 獣医学部 ー 獣医学科(6年制)、獣医保険看護学科(4年制)

・岡山理科大学(私立)ー 獣医学部 ー 獣医学科(6年制)、獣医保険看護学科(4年制)

ちなみに、岡山理科大学は、比較的新しい獣医学部でして、新設された経緯において、かつて盛んに報道されていた「加計学園問題」が絡んでいます。

北海道大学を除く5大学では、6年制の獣医学科に加えて、獣医師資格が取得できない「4年制」の学科を併設しています。

これら4年制の獣医学部を卒業して場合の進路は、獣医学・畜産学研究者、動物看護士、動物調教師、動物園スタッフ、畜産技術者といったものになるようですね。

こういった6年制の学科と4年制の学科が併設されていることは、医療系の学部ではありがちですね。

薬学部4年制は薬剤師免許とれない(泣)薬剤師免許取得方法

たとえば、医学部なら、医学科(6年制)と看護学科(4年制)や、薬学部なら薬学科(6年制)と創薬学科(4年制)といった具合です。

獣医学部ではないけど6年制で、獣医師になれる学部・学科もある


実は、純粋に「獣医師」になるなら、「獣医学部」以外にも方法があります。

というか、獣医師になれる6年制の課程(多くは獣医学科や共同獣医学科という名称になっています)を持っている学部・大学があるのです。

挙げておくと、下記の11学部(大学)となります。

・帯広畜産大学(国立)  ー 畜産学部 ー 共同獣医学課程(6年制)

・岩手大学立(国立)  ー 農学部 - 共同獣医学科(6年制)

・東京大学(国立)  ー 農学部 - 獣医学課程(6年制)

・東京農工大学(国立)  ー 農学部 - 共同獣医学科(6年制)

・岐阜大学(国立)  ー 応用生物科学部 - 共同獣医学科(6年制)

・鳥取大学(国立)  ー 農学部 - 共同獣医学科(6年制)

・山口大学(国立)  ー 共同獣医学部 - 獣医学科(6年制)

・宮崎大学(国立)  ー 農学部 - 獣医学科(6年制)

・鹿児島大学(国立)  ー 共同獣医学部 - 獣医学科(6年制)

・大阪府立大学(公立) ー 生命環境科学域 - 獣医学類(6年制)→*2022年より大阪公立大学 獣医学部となる予定

・日本大学(私立) ー 生物資源科学部 - 獣医学科(6年制)

上で挙げた6大学と合わせて合計17大学(学部)が、6年制の獣医学(獣医師)教育課程をもっているということになりますね。

いわゆる「獣医学部」という名称の大学はむしろ少数派でして、とくに畜産学部や農学部といった、一見、医学とは違う学部の中の一学科として「獣医学科」や「共同獣医学科」が設置されているのです。

これには背景がありまして、実は、獣医師あるいは、動物の医療・医薬品は、農林水産省の管轄下にあるのです。

そのため、農学部や畜産学部の中に含まれていることが多くなっています(一方、ヒト用の医薬品や医師、薬剤師資格は厚生労働省の管轄下です)。


4年制で獣医学部でもないけど、「獣医学」を学べる、という大学もある


他にも、「獣医学」を学べるという、獣医学部でもない4年制の学部・学科を設置している大学もあります。

例を挙げると、

・ヤマザキ動物看護大学(私立) ー 動物看護学部 - 動物看護学科(4年制)

・東京農業大学(私立) ー 農学部 - 動物科学科(4年制)

・九州保健福祉大学(私立) ー 薬学部 - 動物生命薬科学科(4年制)

ヤマザキ動物看護大学は、大学名そのものに「看護」という言葉が入っているのでわかるように、動物病院での動物看護士を養成することにフォーカスしているのでしょうね。

東京農業大学の例だと、「農学部」なので獣医師養成課程をもっているかと思いきや、4年制の動物科学科となっていたりします。

一番ややこしいのは、九州保健福祉大学の「薬学部」のなかにある「動物生命薬科学科」でして、獣医学を学べるということらしいですが、獣医師にもなれず、薬剤師にもなれるわけではない、非常にユニークな存在となっておりますwww。

獣医師になれると勘違いして、あるいは薬剤師になれると勘違いしてやってきた受験生とかもいそう・・・。

こういった学部、悪意は無いのでしょうが、ぶっちゃけ受験生からしたらわかりにくいです。

知識不足でうっかり獣医師資格がとれると勘違いして入学してしまうと、取り返しがつかないので、獣医師になりたいひとは慎重に、ちゃんと調べてから進路をきめましょうね。

獣医師になるには6年制の獣医学部または獣医学科を卒業しなければいけない


というわけで、冒頭でも書きましたが、獣医師になることを前提とするならば、6年制の獣医学部あるいは、6年制の(共同)獣医学科を卒業しなければなりません。

6年間というと、医師になるための医学部(医学科)や薬学部、歯学部と同じ期間大学で学ぶ必要があるということになります。

4年制の大学、学部に通うよりも当然学費や、生活費がかかりますし、社会に出るのは、(少なくとも)2年遅くなってしまいますので、親の負担も大きくなりますよね。

学ぶべきことも多くなりますので、勉強も大変ですし、獣医師国家資格も簡単ではありませんので、しっかりと覚悟して6年間勉強することになります。


獣医学部を卒業するには何年かかる?6年+留年や国家試験浪人もあるの?


獣医師養成課程の大学、学部を卒業するには6年かかる(6年制)と書きました。

つまり、大学入学の6年後に獣医師になるわけです。

ただし、これは、あくまでストレートで卒業し、1発で獣医師国家試験に合格した場合に限ります。

獣医学部は、同じ6年制の医学部や薬学部と同じく、大学在学中にかなり勉強しないとついていけないし、忙しいです。

当然、留年する人もいます。

特に、私立大学の獣医学部や獣医学科の場合、卒業生の「獣医師国家試験合格率」というのを非常に気にします。

「獣医師国家試験合格率」が低いと、翌年の受験者が減って、収益の悪化や学生の質の低下を招いてしまい、経営問題になるからです。

そのため、難関な卒業試験や進級試験を学生に課して、獣医師国家試験に合格する見込みの薄い学生は卒業させない=留年させるという方策をとっているのです。

そのため、獣医学部・獣医学科を卒業するには何年かかるか?とう点ついて6年プラスアルファで覚悟しておいたほうがいいかもしれません。

特に、各大学(主に私立)の留年率には注意した方がいいかもしれません。

過度に、難関な卒業試験や進級試験を課している大学もあるかもしれませんので。

また、無事に卒業ができたものの、その後の獣医師国家試験に合格できず、浪人する(=国試浪人)というパターンもあります。

人によっては、獣医師になるために6年+数年かかることも覚悟しておく必要があるでしょう。

獣医学部卒業に6年もかかると、再受験や浪人だと辛いのか?

獣医師になるための獣医学部や獣医学科を卒業するのに最低6年かかるわけですが、これって結構長いです。

4年制大学との差はたったの2年ですが、社会に出るまでの若い時期の「2年」って大きいです。

特に、獣医学部の場合、受験の競争倍率の高い難関大学、偏差値が高い大学も多いので、必然的に浪人の末にやっと合格できる・・・といったケースもあります。

3年以上浪人している、いわゆる「多浪」の学生も混じってきます。

また、いったん別の大学を卒業後、獣医師をあらためて目指して「再受験」する人も。

こういった、浪人生、再受験者は、在学中~卒業時点で比較的高齢になってしまい、この点を心配する学生も多いようです。

こんな感じの悩みですね↓

・若者に交じって学生生活を送れるのか。

・年齢とともに衰える記憶力で獣医学部の単位を無事にとれるのか。

・卒業時点で年齢が高めなので、就職はできるのか。

結論を言うと、「努力次第でなんとかなる」といったところです。

実際のところ、多浪生や、再受験組で、入学時点で30歳オーバーなんて人はごろごろいますが、たいてい卒業できているので。

また、就職に関しても、一般企業のサラリーマンと違い、それほど年齢に影響しません。

医師や薬剤師と事情は同じで、ぶっちゃけ獣医師国家試験に合格して、獣医師の国家試験を保有していれば、就職先はある、というのが現状です(もちろん人気があって競争倍率の高い就職先では、多少不利になるかもしれませんが)。


ちなみに獣医学部の場合大学院はさらに4年かかる


ちなみになんですが、6年間の獣医学部または獣医学科の学生生活を終えた後、さらに獣医大学院(博士課程)に進学することも可能です。

こちらの獣医大学医院の就業年数は4年となっており、学部の6年間と合わせて10年間、専門教育を受けることができますね。
10年だと、高校卒業後にストレートで進んでも、卒業時点で29歳くらいになっていますよね。

高校生にとっては途方もなく長い期間のように思えるかもしれませんが、医療系の学部ではよくある話です。

大抵の大学では、6年制の獣医学部・獣医学科を卒業した者に加えて、6年制の医学部や薬学部を卒業した人も進学できます。

獣医大学院(博士課程)を修了すると、獣医学博士となることができ、より専門性の高い獣医師や獣医学研究者を目指す場合は大学院への進学を検討することになります。

獣医学部は何年制?就学年数は4年制と6年制を間違えないように!【まとめ】


というわけで、獣医学部は何年制か?という点について整理して書かせていただきました。

結論としては、獣医学部には6年制と4年制の二つのパターンが学科によってあります。

一方で、獣医師を目指せる学部・学科で話をすると、獣医学部以外(農学部や畜産学部)で6年制、というところもありますね(むしろこっちが主流でしょうか)。

獣医師を目指す人に注意してほしい点として、 4年制の獣医学部あるいは、4年制で獣医学部でもないけれど、「獣医学」を学べる、という大学・学部があるということ。

もし獣医師になりたいと考えているのであれば、これらの大学、学部に間違って進学すると大変後悔することになるでしょう。

獣医師になるには、必ず、6年制の獣医学部または獣医学科を卒業しなければいけないので。

また、獣医学部は競争倍率・偏差値が高いので受験の難易度が高め。

在学中の勉強も難しいし、卒業後の獣医師国家試験になかなか合格できない国試浪人を経験する人もいますので、獣医師になるためには6年プラス数年(浪人、留年、国家試験浪人)必要になるケースも覚悟しておきましょう。

あと、ちなみに獣医学部の場合大学院に進学して、専門性の高い獣医師や獣医学研究者をめざすなら、さらに4年かかるといったところも念頭においておけばいいかと。

それじゃあ今回はこれくらいにしておきます。

では。

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