獣医師になるための獣医学部大学選び:おすすめは?【まとめ記事】

獣医師になりたい獣学部大学選び方おすすめ

今回は「獣医学部・獣医学科の大学選び」についてのまとめ記事として書いていこうと思います。

将来、獣医師を目指している人はたくさんいます。

特に小さい頃から動物を飼っている、無類の動物好きといった人にとって「獣医師」という仕事はまさに転職、憧れの職業だったりもしますからね。

一方で、「獣医師になるにはどうすればいい?」「獣医師になるためには大学(学校)はどこに行けばいいのか?」といった基本的な情報が意外と少なかったりもします。

結論としては、獣医師になるには、大学の、6年制の獣医師養成課程のある獣医学部や獣医学科に進学して卒業し、その後、獣医師国家試験に合格する必要があります。

大学に行けばいいんだねって、話ですが、実はこの「6年制の獣医師養成課程」を設置した大学はそれほど多くなく、全国で17校しかありません(記事執筆時点)。

また、それらの違いや、どこの大学を選んだらいいのか?とった疑問も出てくるかと思います。

そこで今回は、獣医学部・獣医学科の大学選びについて、迷っている人のために、関連記事を紹介しながら整理、解説していきますね。





獣医学部ってどうよ?楽しい、でも忙しい・辛い!


さて、まず、獣医師になるための「獣医師養成課程」について、どういった学部なのか(楽しさ、勉強の忙しさ)について少し触れておきます。

基本的には、獣医学部・獣医学科では「動物の健康」医療」に関することを学びます。

大学では、座学による医療、生命科学の勉強はもちろんのこと、実際に動物と触れ合う機会が「実習」という形でたくさんあります。

動物好きで獣医師を目指している人にとっては、「楽しい」「学びがいのある」ことが沢山あるでしょう。

また、獣医師養成課程である獣医学部・獣医学科は、小規模で一学年あたり40人ほどしかない大学も多いのが特徴。

仲間でワイワイやりながら実習に行ったり、先輩・後輩とのつながりもできやすく、たくさんの楽しい思い出を作れる環境にあります。

また、5年生くらいから、各専門分野の研究室に配属され、「獣医学研究」に没頭できるという楽しさもあります。

しかし一方で、

・単位取得のためのテスト勉強が難しい

・動物相手なので長時間の実習などがあり、体力的にもハード

・高学年になると研究室配属され、卒業研究で忙しい

・獣医師国家試験の対策のための勉強が辛い

・実験で(大好きな)動物の命を奪うこともあり辛い

といった側面もあり、単に「動物好き」だから大丈夫、というわけでもありません。

こういった、特徴は、全ての獣医師養成課程である獣医学部・獣医学科に当てはまるものでして、避けては通ることができません。

このあたりについては、こちらの関連記事が参考になるかと思います。


獣医学部は何年制?就学年数は4年制と6年制を間違えないように!


んで、本題の「獣医学部・獣医学科の大学選び」なんですが、一番初めに気を付けておかないといけないこととして、「獣医師になれる獣医学部と、獣医師になれない獣医学部がある」ということです。

獣医学部であっても、獣医保険看護学科とか、動物資源科学科といった4年制の学科の場合、卒業しても獣医師国家試験の受験資格を得ることができないのです。

具体的な例として以下のような大学があります。

・酪農学園大学(私立)ー 獣医学群 ー 獣医保健看護学類(4年制)

・麻布大学(私立)ー 獣医学部 ー 動物応用科学科(4年制)

・北里大学(私立)ー 獣医学部 ー 動物資源科学科(4年制)

・日本獣医生命科学大学(私立)ー 獣医学部 ー 獣医保険看護学科(4年制)

・岡山理科大学(私立)ー 獣医学部 ー 獣医保険看護学科(4年制)

こういった学科に間違って進学していまうと、将来獣医師になることはできません。

動物看護士や、獣医学研究者といった獣医師以外の仕事に就くことになってしまいます。

大事になことなので、もう一度書いときます。

獣医学部であっても4年制の学科だと、獣医師になることはできません!!

獣医師国家試験の受験資格をもらえないんです!!

あくまで、獣医師国家試験の受験資格を得るためには、国が定めている獣医師養成課程(6年制)で勉強して、所定の単位を取得する必要があるということですね。

一方で、「獣医学部」という名前ではなく、畜産学部や農学部の中に獣医師養成課程である獣医学科が存在する学部もあります。

下記の大学、学部が獣医師養成課程としての獣医学科、共同獣医学科(6年制)を設置しています。

【国立】
・北海道大学 獣医学部

・帯広畜産大学 畜産学部 共同獣医学課程

・岩手大学立 農学部 共同獣医学科

・東京大学 農学部 獣医学課程

・東京農工大学 農学部 共同獣医学科

・岐阜大学 応用生物科学部 共同獣医学科

・鳥取大学 農学部 共同獣医学科

・山口大学 共同獣医学部 獣医学科

・宮崎大学 農学部 獣医学科

・鹿児島大学 共同獣医学部 獣医学科

・大阪府立大学 生命環境科学域 獣医学類

【私立】
・酪農学園大学 獣医学群 獣医学類

・麻布大学 獣医学部 獣医学科

・北里大学 獣医学部 獣医学科

・日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科

・岡山理科大学 獣医学部 獣医学科

・日本大学 生物資源科学部 獣医学科


獣医師になるにはこれらのいずれかに進学、卒業することが必須になります。


獣医学部はどこがいい?評判のいい獣医学部のある大学は?


獣医師になりたい人は、上述の17大学・学部のうちのいずれかを選んで進学するしかありません。

ではどこがいいのか、何を基準にした選び方がいいのか?

こういったあたりが本題になるかと思います。

詳細は下の関連記事に記載していますので、ここではざっくりと挙げておきます。


以下の6つのポイントがキーになってきます。

・偏差値、難易度(入学のしやすさ)

・就職事情

・必要な学費

・獣医師国家試験の合格率

・獣医学部の特殊事情としての定員、規模

・大学の所在地、立地

特に、個人的には「偏差値、難易度(入学のしやすさ)」および「必要な学費」というのは獣医学部の大学選びにおいてとても重要な要因になってきます。

獣医学部の大学選びに「偏差値、難易度(入学のしやすさ)」は外せない 


「偏差値、難易度(入学のしやすさ)」について言うと、獣医師養成課程の獣医学部や獣医学科は非常に人気の高い学部・学科となっています。

主な理由は、全ての獣医師養成課程の入学定員が非常に少なく(約1000人)、一方で、獣医師になりたいと考える若者がとても多いことから、どの大学も競争がかなり激しくなっているのです。

当然、入試偏差値も高止まりし、一般的には難関というイメージのある歯学部や薬学部よりも入試偏差値が高い傾向にあります。

大学や地域によっては医学部と偏差値的にはほとんど変わらない、なんてこともあるのです。

そのため、少しでも難易度の低い大学や多少人気のない大学に進学することも考えた方がいいかと思います。

また、獣医学部の場合、医学部と比較すると大学ごとに、二次試験の受験科目にばらつきがありまして。

数IIIが不要か必要か、英語が二次試験で課せられるかどうか、理科は2教科か・1教科か、といったところをよく分析して、自分にとって入りやすい、合格率を高められる大学選びをするひつようがあるのです。

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 獣医学部の大学選びで「必要な学費」を重視した方がいい理由


また、「必要な学費」について言いますと、獣医学部の場合、私立大学と国公立大学で学費が全く異なる、という特徴があります。

まー、これは医学部、歯学部、薬学部といった生命科学・医療系学部全般に言えることですが。

ざっくりと、6年間の学費で言うと、国立大学、公立大学の場合なら400万円程度ですが、私立大系だと1000万円ほど必要になります。

差額が600万円くらいになりますから、一般の家庭であればかなり大きな差になります。

無理して私立大学の獣医学部に進学した者の、途中で学費が払えなくなる・・・なんてのは悲惨極まりないですので、大学選びではよく考えないといけないポイントになります。


獣医学部はなぜ少ないの?新設できない理由とは!


ここまで書いたように、獣医学部は難関で、倍率が高かったり、学費が安い国公立大学の獣医学部が日本に11校しか無かったりという状況にあります。

まー、そもそも国公立と私立をあわせて17校なんで選択肢としては少ないわけで、「獣医学部の大学選び」としては選びやすい(選ぶ余地が少ない)と言えなくもないですね。

とはいえ、もう少したくさんの大学、日本各地に獣医学部があれば偏差値や競争倍率も下がってきそうですよね。

それに、もっと国公立大学の獣医学部を設置して、金銭的に余裕のない人でも獣医師を目指せるとありがたいのに。

一体なぜ、獣医学部はこんなに少なくて、需要があるのに新設されないのでしょうか。

このあたりの疑問について、下記の記事で詳しく解説していますが、直接的な理由としては「規制が厳しい」ということになります。

獣医師の仕事といえは、ペットのケアをする町の獣医さんをイメージするかもしれませんが、実際は畜産業に不可欠だったり、検疫の仕事等にも関わってくる、とても重要な仕事です。

間接的にですが、国民の健康や安全にかかわる仕事なんですよね。

そのため、「どんどん獣医学部を作ってもいいよ」と簡単に言うわけには行けません。

獣医師養成課程で学ぶ学生の質を一定以上に保つ必要がありますし、きちんと獣医師を教育できる施設や教員を配置した大学でないと、「獣医師養成課程」を名乗らせてはいけないのです。

また、獣医師については、一部の仕事では不足気味であるものの、ペットを診療する小動物臨床獣医師は飽和気味だといわれています。

「獣医師の供給過剰=獣医師余り」を生じさせないために、規制をかけて、獣医学部の数と質(=獣医学生と獣医師の数と質)を一定の水準に保っているわけです。


獣医学部の社会人入試・編入・再受験の場合の大学選びはどうよ?


獣医師養成課程としての獣医学部、獣医学科がこのような状況にあるため、中には、「いったん社会にでたもの獣医師の夢を諦められない」といった人もたくさんいます。

こういった場合、社会人入試や編入、再受験といった仕組みを利用することがあります。

この場合の大学選びについて、最後に少し触れておきます。

関連記事はこちらになります。


社会人入試での獣医学部の大学選び


社会人入試について書いていくと、これは最終学歴が高校卒業以下の社会人向けの特別受験枠です。

この社会人入試枠を設けている獣医学部の大学はとても少なく、平成30年当時で下記の3大学のみです。

・酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 

・日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科

・麻布大学 獣医学部 獣医学科

社会人入試に挑むならこの3校を選ぶことになりますね。

学士編入制度での獣医学部の大学選び


獣医学部・獣医学科へ「学士編入」する人もいます。

学士編入は、獣医学部以外の大学卒業者を対象にした特別受験枠で、いくつかの大学で門戸を開いています。

「大学受験で、獣医師になるのを諦めて別の学部を卒業したが、やっぱり獣医師になりたい」という人に一番むいている制度です。

学士編入すると、大学によっては2年制あるいは3年制からのスタートができるので、うまくいけば時間的なメリットが得られます。

とはいえ、この制度を設けている大学は、下記の4校のみとなりますので、いずれかの大学を選ぶことになります。

・酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 

・北里大学 獣医学部 獣医学科 

・麻布大学 獣医学部 獣医学科

・日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科 (ただし入学後は1年次よりスタート)

再受験での獣医学部の大学選び


再受験で、獣医学部をめざす場合の大学選びはどうでしょうか。

再受験は、高校卒業したての若者に交じって、一般入試を受験して、獣医学を目指す方法ですので、基本的にはどの大学でも制度が利用できます。

なので、大学選びのポイントはこれまで書いたものと同じです。

とはいえ、再受験の場合、いったん社会にでていたりすると、在学期間中は無収入になりますので、金銭的な覚悟は必要ですよね。

家族がいたりすると大変です。

また、受験に失敗して、来年も・・・といった具合に何度も挑戦することは金銭的にも時間的にも難しくなります。

そのため、お金の面、入学のしやすさの面は、特にシビアに考えて獣医学部の大学選びをしていく必要があります。


獣医師になるための獣医学部大学選び:おすすめは?【まとめ記事】最後に


以上、獣医学部の大学選びについて、関連記事を紹介しつつ、整理したまとめ記事とさせていだだきました。

すでに書いたように、獣医学部の場合、日本国内に17校しかなく、選択肢が少ない反面、難易度や学費の面から、大学選びには慎重になったほうがいいかと思います。

本記事と関連記事が、獣医師を目指している学生およびご家族の参考になれば幸いです。

それじゃあ今回はこれ位にしておきます。

では。


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