獣医学部の社会人入試・学士編入・再受験ってどうよ?

獣医学部社会人入試学士編入再受験

6年制の獣医学部や獣医学科に進学し、卒業するのは獣医師になるために必須の条件です。

どの学部でも大学で学ぶには、大学の「一般入試」を経て合格するのがセオリーですよね。

一方で、一部の大学、学部では社会人入試や学士編入をいった制度を設けているケースもあります。

獣医学部や獣医学科でもこういった社会人入試や学士編入を利用することはできるのでしょうか。

小さい頃から獣医師を目指し、高校卒業後に6年制の獣医学部あるいは獣医学科を受験、合格という進路に進む人いますが、一方で、

・大人になってから獣医師の仕事に興味を持った

・一度獣医師になるのを諦めて別の学部に進学(卒業)したけれど夢を諦められない

といった人にとって、獣医学部や獣医学科の社会人入試や学士編入制度は非常にありがたいものですよね。

そこで、本記事では、獣医学部(獣医学科)の社会人入試や学士編入の制度の現状について整理していきます。

また、ほかの大学(学部)を卒業あるいは中退後に、一般入試を再度受験する、いわゆる「再受験」についても触れつつ、社会人入試や学士編入、再受験のメリット・デメリットや必要な覚悟についても解説していきます。



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獣医学部への学士編入、社会人入試、再受験はできるのか【まず本題】


まず本題ですが、獣医学部への学士編入、社会人入試、再受験はできるのか?について。

結論としては、そういった制度を採用している大学であれば可能、ということになります。

ただし、社会人入試については、制度を設けている獣医学部・獣医学科はかなり限られています。

そのため、冒頭で書いた「大人になってから獣医師の仕事に興味を持った」「一度獣医師になるのを諦めて別の学部に進学(卒業)したけれど夢を諦められない」といった人は、学士編入あるいは、高校卒業したての受験生に混じって一般入試を受験する(=再受験)のどちらかの方法のほうが、可能性としては高くなりそうです。

以下、解説していきます。

獣医学部への社会人入試は狭き門


まず、社会人入試について。

一般に、大学(学部)の社会人入試では、何らかの職に就いている社会人(「社会人経験3年以上」「離職者や主婦も可能」など細かい条件が明記されている場合もあります)で、最終学歴が高校卒業以下(
短大卒含む場合もあり)を対象とします。

つまり、4年制大学を卒業した人は対象外となります(場合によっては4年制大学に在籍経験があるだけで対象外)。

各大学ごとに規定があり、一般入試と異なる試験科目で受験ができたり、入学後も仕事を続けながら就学することができるといった、「学習意欲のある社会人」を優遇した制度ですね。

こういった制度を設けている大学、学部はたくさんあるのですが、獣医学部・獣医学科の場合は、一部の大学しかありませんし、定員枠がかなり少なくなっているようです。

おそらく、獣医学部・獣医学科というかなり専門性の高い分野であることから、入学者にはそれなりの学力を要求しなければならないことが要因だと思われます。

また、非常に人気の高い学部ですから、他の(一般入試の)受験生との公平性を保つという意味もあるのかと思います。

平成30年の募集実績で挙げておくと、社会人入試枠を設けている獣医学部・獣医学科(獣医師養成課程)は下記の3校で、いずれも私立大学の獣医学部となります。

・酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 

・日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科

・麻布大学 獣医学部 獣医学科

どの大学も、募集定員は「若干名」となっており、過去の実績でも1名程度しか合格していないようですので、かなり狭き門といえるでしょう。

社会人入試の場合、学士編入と異なり、就学したら1年生からのスタートですので、卒業して獣医師となるのは最速で6年後ですね。

獣医学部への学士編入制度はどう?


次に、獣医学部・獣医学科への学士編入について。

学士編入は、獣医学部以外の大学を卒業した人(または卒業見込み)を対象にした入学制度ですね。

4年制大学以上の卒業者が対象という点で、社会人入試とは異なりますが、受験時点で社会人であることも多いかと思います。

いわゆる「一度獣医師になるのを諦めて別の学部に進学(卒業)したけれど夢を諦められない」という人にとって一番しっくりくる制度かと。

また、編入ということになりますので、入学後は2年生または3年生(6年制の医学部、歯学部、薬学部等の卒業者)からのスタートとなります。

私の知人も、薬学部を卒業して大学院に在学中に、「獣医師になる夢を諦められない」とのことで、獣医学部の学士編入試験を受験し、合格していました。

ただし、こちらの制度も、狭き門となっており、募集人員は「若干名」となります。

制度として設けている大学は、社会人入試と同じく、非常に少なく、下記の4校のみとなります。

・酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 

・北里大学 獣医学部 獣医学科 

・麻布大学 獣医学部 獣医学科

・日本獣医生命科学大学 獣医学部 獣医学科 (ただし入学後は1年次よりスタート)

あと、実をいうと平成30年以前は、下記の国公立大学でも学士編入を実施していましたが、すでに廃止されてしまっています。

・帯広畜産大学 畜産学部 共同獣医学課程

・岩手大学 農学部 共同獣医学課程

・東京農工大学 農学部 共同獣医学科

・岐阜大学 応用生物科学部 獣医学課程

・山口大学 共同獣医学部 獣医学科

・宮崎大学 農学部 獣医学科

実績としては年間0~数名程度が良いところでしょうか。

この学士編入の最大のメリットは、2年次または3年次からのスタートとなることで、就学期間が1年または2年短縮される、というものですが、狭き門で、大学が限定的であることを考えると、あまりメリットが無いと感じる人もいるかもしれませんね。


獣医学部への再受験はどう?


大人になってから獣医師を目指す場合、もっともわかりやすい方法は、獣医学部・獣医学科の再受験、つまり一般の受験生に混じって普通に大学入試を受験する、という手段になります。

上述の社会人入試や学士編入の制度が利用できればいいのですが、すでに書いたようにかなり狭き門ですし、大学選択の幅も限定されてしまいますので、これらの制度を可能な限り併用しつつ、シンプルに再受験するのが確実です。

かつて、一部の大学の医学部で、浪人生や再受験生を年齢で足切り(原点)したり、女子学生の入学者数を制限しているといったことが行われていたようですが、幸い、獣医学部、獣医学科ではそういったことはないようです(明るみに出ていないだけかもしれませんが・・・)・

獣医師国家試験に年齢制限は無い

ちなみに、獣医師になるには、獣医学部・獣医学科を卒業するだけではダメでして。

6年制の獣医学部・獣医学科で所定の単位を取得して卒業したうえで、獣医師国家試験に合格する必要があります。

この試験に落ちてしまうと、獣医師にはなれません。

で、この獣医師国家試験なんですが、幸いなことに受験における年齢制限はありません。

また、高齢になったら獣医師免許を返納する、といった仕組みもありません。

この点は、学士編入、社会人入試、再受験を考えている人にとって安心できる材料かと思います。

30代でも、40代でも、50代以上でも、意欲と学力と健康があれば、獣医師を目指していいですし、獣医師国家試験に合格すれば、獣医師として活躍することはいくらでもできる、というわけです。

やっぱり獣医師になりたい・・・社会人入試・学士編入・再受験?


というわけで、大人になってから獣医師になりたい、獣医学部・獣医学科に進学したいと考えた場合、社会人入試、学士編入、再受験の3つの選択肢があることがわかりました。

実際は、最終学歴に応じて、下記のように、それぞれ2つの選択肢になりますね。

・4年制または6年制大学の卒業者は、してしまった人は学士編入または再受験

・最終学歴が高校卒業なら社会人入試または一般入試(再受験と同じ枠)

ただし、すでに書いたように、学士編入や社会人入試の枠はとても狭くなっており、ここだけを狙って獣医師を目指すのはお勧めできません。

やはり、一般入試(再受験)での受験を念頭において、準備をすすめていくのが現実的かと思われます。

獣医学部は難しい、競争が激しい

社会人入試であれ、学士編入であれ、再受験(一般入試)であれ、獣医学部・獣医学科の受験競争はかなり激しいです。

別記事も書いているように、獣医師養成課程の獣医学部、獣医学科は日本国内では絶対数が少なく、志願者も多いため入学難易度がかなり高くなっているのが現状。

一般の受験生との公平性を保つためにも、社会人向けに特別枠をあまりたくさん設けることが難しい現状もあります。

また、大学経営の視点から考えても、一般入試で十分な数の学生が確保できるなら、わざわざ特別枠を設ける必要は無い、という側面もあるかと思います。

ぶっちゃけ、獣医学部・獣医学科を目指す社会人にとっては状況は圧倒的に不利です。

おそらく今後もこの状況が続くのは間違いないかと。


獣医学部への学士編入、社会人入試、再受験に必要な覚悟


最後に、獣医学部・獣医学科を目指す社会人が認識、覚悟しておくべきポイントについて書いておきます。

ぶっちゃけ、いったん社会にでたあとで、受験勉強を再開し、合格後も大学で就学、その後下っ端の獣医師としてスタートするのは容易ではありません。

ここで挙げる項目でどうしても受け入れられない、覚悟できないものがあれば、獣医学部・獣医学科への進学をあきらめて普通に働く人生を選ぶべきかもしれません。

受験勉強が大変


すでに書いたように、獣医学部・獣医学科の受験競争倍率はかなり高く、難易度は医学部医学科に匹敵するものです。

学士編入や社会人入試では、受験科目等で多少優遇されますが、合格定員は極端に少なく、面接や小論文では、相当の意欲、熱意を伝えないと合格は難しいでしょう。

ぶっちゃけ一般入試の方が簡単かもしれません。

そのため、学士編入、社会人入試、再受験いずれにしても、相当な時間と労力を受験勉強に費やす覚悟が求められます。

一度社会に出て、仕事をしながら、あるいは家事や育児をしながら十分な学習時間を確保することができるか、それを継続するモチベーションがあるかどうか、といったことが非常に重要になってきます。

大学入学後の勉強

仮に、学士編入、社会人入試あるいは再受験を経て、獣医学部・獣医学科へ入学できたとします。

その後4~6年間ほど在学して、単位取得のために必死で勉強することも覚悟しなければなりません。

ぶっちゃけ、獣医学部・獣医学科では在学中にかなり勉強しないといけません、いそがしいですよ。

日本の大学は、入学してしまえば卒業は簡単、アルバイトやサークル活動に没頭できる日々、なんていうイメージを持っている人がいますが、あれは一部の大学(主に文系)に限ったものです。

多くの理系学部、特に6年制の医学部、歯学部、薬学部、獣医学部といった学部では、勉強についていけないとすぐに留年してしまいます。

結局卒業できずに退学となる学生や、卒業したものの国家試験に合格できない・・・といったケースもざらです。

大学在学中の収入

現在仕事をして、何かしら給料をもらっている場合、仕事を辞めて大学で就学すると当然無収入になる可能性は高いです。

大学によっては社会人としての身分を維持したまま就学することが制度上可能かもしれませんが、忙しい獣医学部のカリキュラムを考えるとあまり現実的ではありません。

就学期間中の生活費や学費をどうやって工面するのか?は真剣に考えておかないといけませんね。

ひとり身で、両親や家族から支援が得られる環境であれば大丈夫かもしれませんが、結婚して家庭がある場合にきちんと理解を得ておく必要があります。


獣医学部・獣医学科の卒業時の年齢、いくつまでに獣医師になりたいかをシビアに考えよう

学士編入、社会人入試、再受験で獣医師を目指す場合、卒業時の年齢はいくつになっているのか、という点も考慮しないといけません。

獣医師国家試験の受験に関しては年齢制限は無いことを前述しましたが、それを個人としてどう感じるか、家族はどう感じるか、よく考えて、必要なら話し合いをきっちりしておきましょう。

獣医学部は6年制ですから、仮に再受験で合格・入学したときに24歳だと卒業すれば30歳になりますよね。

「いくつまでに獣医師になれれば許容できるか」を明確に持っていないと、何年もずるずると獣医学部を目指して浪人して気づけば40代・・・なんてことにもなりかねません。

学士編入、社会人入試、再受験の場合は公務員獣医師は厳しい

一つ付け加えておきますと、学士編入、社会人入試、再受験で獣医学部・獣医学科に入学して獣医師になった場合、就職先が制限される可能性があります。

特に、検疫所で勤務する獣医師や、地方自治体の公営水族館や家畜保健所等で勤務する「公務員獣医師」になるのは難しくなります。

理由は、公務員試験の受験資格で年齢制限があるからです。

そのため、 学士編入、社会人入試、再受験を経て獣医師になる場合は、基本的には動物病院などの小動物臨床獣医師や、民間の組織で勤務する産業動物臨床獣医師として活躍することになりますね。


獣医学部の社会人入試・学士編入・再受験ってどうよ?【まとめ】

以上、獣医師養成課程の6年制獣医学部あるいは獣医学科の、社会人入試、学士編入および再受験の実情についてまとめておきました。

他の学部同様、社会人入試、学士編入および再受験のいずれも選択肢としてはあるものの、もともと獣医学部・獣医学科を設置している大学が少ないことや、難易度・競争率の高い分野であることから、かなり難しい、狭き門となっています。

特に社会人入試枠は、過去と比べてかなり枠が狭まっている印象です。

基本的には、一般入試を受ける「再受験」が可能性としては高そうですが、受験勉強に費やす時間や就学期間中の収入(生活費・学費)の工面は大きな課題になるかと思います。

とはいえ、「大人になってから獣医師の仕事に興味を持った」「一度獣医師になるのを諦めて別の学部に進学(卒業)したけれど夢を諦められない」といった、獣医師に対する強い思いのあるひとにとって、社会人入試、学士編入あるいは再受験という選択肢があるのは喜ばしいことですね。

それじゃあ今回はこれ位にしておきます。

では。



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