薬学部の闇を列挙した。私立派も国公立派も読んどいて。


この記事を読んでいる人の中には、薬剤師になりたくて薬学部への進学を考えている人や、無事に進学した現役薬学生や薬剤師もいると思います。

その中には、将来薬剤師という安定した職業につながるという理由で薬学部を選んだ人、検討している人は多いでしょう。

しかし、薬学部は良い事ばかりではありません

薬学部が抱える問題、いわゆる「薬学部の闇」の部分があります。

本記事では、そんな「薬学部の闇」について整理しておきます。

あなたは「薬学部の闇」を受け入れられるでしょうか。



薬学部の闇と光


薬学部に行けば、将来安定した職業(=薬剤師)に就けます。

社会的にも認められた仕事ですし、これからの高齢化社会を支えていく大事な仕事ですよね。

特に女性の仕事の中では、比較的高収入で、出産や育児で一度職場を離れても復帰しやすい仕事です。

薬剤師女性は結婚相手の職業としても人気です。

それに薬学部にいくと、学生生活、勉強内容、とても楽しいです。

これらはすべて薬学部、薬剤師の良い面、つまり光の部分ですよね。

一方で、これら良い面だけではなく、悪い面というか困難な部分、「薬学部の闇」もあるのです。

薬学部進学にあたっての闇


薬学部を目指し、進学し、学びそして薬剤師になる人は、段階的に「薬学部の闇」と付き合っていくことになります。

薬剤師を目指して薬学部進学を志してまず、初めに直面するのが、以下に述べる「薬学部進学に当たっての闇」です。

高額すぎる学費の闇

別記事でも書いていますが、私立大学の薬学部や薬科大の場合、非常に学費が高額です。
6年間で1000万円を軽くこえる学費を支払う必要があります。

裕福な家庭であれば何とかなりますが、そうでない場合はアルバイトや奨学金を借りながら、常にお金の心配と隣り合わせで学生生活を送ることになりますよね。

奨学金であれば、就職してから返済していくことになります。

国公立なら、学費は安いですが、それでも6年分支払いが必要です。

また、現在、国公立大学で薬学部を設置しているのは、たった20弱で、地元の大学に薬学部が無い場合は、一人暮らしをするか私立に通うしかありません。

いずれにしても、貧乏な家庭出身で薬学部・薬剤師を志すことは難しい状態です。

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定員割れしている薬学部の闇

人気の高い薬学部ですが、2000年代初めの新設薬学部ラッシュによって私立大学の薬学部が増えすぎました。

それらの一部は、立地の悪さや学費が高額であることから、学生が集まらずに定員割れを起こしています。

入学試験の難易度が低下するのは受験生にはうれしいかもしれませんが、在学中に学校がなくなったり、母校が将来無くなるというのは不安なものです。

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Fランク薬学部の存在が闇

国公立大学の薬学部は難易度が高く、優秀な学生を集められている反面、いわゆる「Fランク」とよばれる一部の私立大学の薬学部、薬科大が存在しています。

新設薬学部ラッシュによってこの数は増加しました。

その結果、これら私立大学では、「薬剤師国家試験」に焦点を絞った詰め込み教育を行っており、将来の薬剤師の質の低下が懸念されています。

Fランク薬学部で良い理由:薬剤師飽和する飽和する詐欺は気にすんな

これらのFランク薬学部に進学してしまうと、立派な薬剤師になれるか心配です。
また在学中も、受験勉強の延長のような大学生活で息が詰まってしまうでしょう。

薬学部在学中の闇


受験勉強を乗り越えて、学費のめどもたって、晴れて薬学生となった後も「薬学部在学中の闇」と向きあっていかないといけません。

ぼっちになると辛い薬学部のカリキュラムは闇だな

薬学部の6年間の長い学生生活の中では、講義だけではなく、薬局や病院にて行う実務臨床実習や、研究室に所属しておこなう特別実習があります。

これらを通して、多くの人は同級生と仲良くなったり、信頼できる一生の友人と出会ったりします。

これはとても良さそうですが、逆に「ぼっち」になってしまうと最悪です。

大学デビューではないですが、入学後にしっかりと友人の輪に入っておかないと、「ぼっち」になります。

ぼっちになると、実務臨床実習でも特別実習でも孤独です。

定期試験の過去問もまわってこないかもしれません。

薬学部で「ぼっち」になるとまあまあヤバイ

勉強がとにかく忙しい

薬学部はほかの4年制大学とくらべてとにかく忙しいです。

臨床実習と、単位の取得、最後には薬剤師国家試験の対策に追われる6年間です。

忙しすぎて、バイトや恋愛、サークル活動といった大学生らしいことが十分できないかもしれません。

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高い留年率は薬学部で最も深い闇か

上でも少しふれましたが、特に私立大学の薬学部では卒業生の「薬剤師国家試験合格率」を非常に重要視します。

その結果、薬剤師国家試験本番さながらの難易度の「卒業試験」を課して、合格できなければ留年というハードルを設けているのです。

薬剤師国家試験に合格できない奴は卒業させないぞ、ってことです。

その結果、一部の私立大学薬学部では、半数近くが留年するというところもでてきています。

これは完全に闇ですね。

根深い闇。

薬学部の卒業試験に落ちた!まずやるべきこと

実務臨床実習はトラブルだらけ。薬学部6年制が生んだ、新たな「薬学部の闇」

薬学部6年制への移行とともに、6か月間の臨床実習が必修となりました。

すべての学生が、大学近郊の病院や薬局で実務実習を行うのです。

はっきりいって受け入れる側も大変ですし、学生も大変です。

学生側の問題(態度が悪い、問題をおこす)だったり、受け入れ側の薬剤師の問題(学生へのパワハラ、セクハラ)だったり、とにかくトラブルが起きます。

対応する大学職員、教員も大変です。

薬学部6年制が生んだ、新たな「薬学部の闇」ですね。

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国家試験に合格は必須という風潮

薬学部を卒業して薬剤師以外の職に就く人はたくさんいます。

それらに薬剤師免許は不要です。

でもなぜか、みんな薬剤師国家試験に合格をめざします。

念のため、セーフティネットとして、取得するわけですが、「薬剤師国家資格いらないや」というと、ものすごい驚かれます。

就職先に関わらず、「国家試験に合格は必須という風潮」にとらわれてしまうのも薬学部の闇かもしれませんね。



妙に体育会系な部活は闇の入り口か

ついでに言うと、ときどき、妙に体育会系な部活が存在します。

医学部でも時々あるみたいなんで、医療系学部の特色なんでしょうか。

ボート部とか、超強いテニス部とかそんな感じです。

これ系の部活に間違って入ってしまうと、抜けれない、部活優先で勉強できないなんてことになります。

薬学部卒業後の闇

薬学部を卒業して薬剤師になったから、「闇」から解放されると思ったら大間違い。

薬学部卒業後の薬剤師の闇との付き合いが始まりますよー。

医療現場での薬剤師の地位は低い。これは薬剤師の闇か。

薬剤師になってはりきって病院勤務なんかすると、衝撃を受けます。

医療現場での薬剤師の地位が思ったほど高くないんです。

医師と同じ6年間の教育を受けたのに、立場は「看護師より下」な感じがあります。

やっぱり現場では、手を動かして、医師と直接連携している看護師の方が頼りがいがあるし、発言力もあるんです。

患者からも、看護師の方が近しいですからね。

薬剤師はなにをしているかわからない、薬剤部でのんびりしているだけ、なんて言われた経験のあるひともいるんです。

薬剤師と看護師の地位:どっちが上か気になるなら薬剤師になるなよ

薬剤師はいらなくなる?

あまりに薬剤師の医療現場での役割が「見えにくい」「わかりにく」ため、将来薬剤師はいらなくなるなんて言われたりしています。

服薬指導もうざいとか。

将来AIにとって代わられるとか。

悲しいですね。

闇以外のなにものでもない。

薬剤師がいらなくなるパターン3つと、それが「非現実的」である理由を整理した

意外と不満、薬剤師の報酬も闇といえば闇だな

薬剤師は結構いいお給料もらえて、安定しているというイメージです。

実際そうだし、初任給も高めです。

割と若いうちからお金にこまることはないでしょう。

でも、なんか報酬に不満をもっている薬剤師もいます。

こちらの記事で書きましたが、所属している環境的に、どうしても薬剤師の報酬に満足したり、自信をもったりすることが難しいようです。

薬剤師が給料安い低い少ないと感じてしまう理由。世間との認識がずれるのはなぜ?

心理的な要因もあるんですが、これも闇といえば闇でしょうね。

では。