医学部の大学教授の年収はいくらぐらいだと思いますか。
ドラマなどを見ていると、医学部の教授である医師が豪邸に住んでいたりしますね。
でも実は大学から、医学部教授に支払われる報酬はおおよそ1000万円程度と言われています。
准教授の場合は 800万円くらい、助教だと600万円くらいです。
国公立大学と私立大学で多少の差はありますが、大体これくらいです。
意外と低くないですか?
それでも医学部の教授というポストの争いは激しいです。
かなり優秀で、政治的にもうまく立ち振る舞える人でないと、教授のポストに上り詰めることはできません。
教授のポストにたどり着けず、定年退職時に准教授、講師、助教といった立場の人も大勢います。
一方で、医師の平均年収は1500万円から1800万円くらいです。
はっきり言って、助教から下積みして、激しいポスト争いが予想される教授を目指すよりも、普通に医師として働いた方が、確実に、高額な年収を得ることができるはずなのです。
ではなぜ、医学部教授または准教授以下の年収が低いにもかかわらず、大勢の人がそのポストを目指すのでしょう。
本記事では、医学部教授の年収と、大勢の人がそのポストを目指す理由について整理しています。
医学部教授に大学が支払う報酬
一般的に大学側が医学部の教授に支払う給与は、年間1000万円ほどです。
もちろん年齢や、大学が国公立大学であるのか私立大学なのかによっても若干異なってきますが、大学教職員の最高地位である教授でも、その程度なのです。
准教授以下はもっと安いし、助教となると平均で600万円くらい、若手だと400万円くらいですよ。
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医学部教授で年収1000万円は高いのか?
年収1000万円と言うと、世間で言えば、大手企業のエリートサラリーマンや中規模な企業の管理職クラスではないでしょうか。一般には、この医学部教授の年収1000万円は収入面では魅力的で、勝ち組に見えます。
文学部や法学部を卒業した後、年収が1000万円に到達できる仕事というのはそれほど多くはありませんよね。
エリートサラリーマンだったり、ちょっとしたビジネスで成功した人達だったりです。
しかし、医学部の場合は少しだけ状況が異なります。
医学部卒の医師の年収と医学部教授の年収
医学部の場合、教授の職についているのは、「医師国家試験に合格した医師」です。
冒頭でも書きましたが、普通、医師として勤務すれば年収は1500万円以上もらえます。
すなわち、医学部教授に限っては、大学教授として働くよりも一般の医師として働いた方が年収が高いということになるのです。
それにもかかわらず、医学部の教授になりたいと考え、激しいポスト争いや、給与の安い准教授以下の、下積みに身を投じる医学部卒業生たちは大勢いるのです。
一般の医師として勤務すれば、はるかに高い年収を、若くしてを得ることができるにもかかわらずです。
医学部教授になるには競争が激しい
医学部の教授には、並大抵の努力ではなれません。
もともと賢い優秀な人たちが揃った医学部の中で、さらに努力を重ねてトップレベルの研究成果を出して、初めて大学のポストを手にすることができるからです。
運も必要です。
若いうちから、昼夜を問わず患者の診察、治療、基礎研究に時間と努力を費やした人でないと到達できない領域です。
なんとか医学部の大学内でのポストを見つけたとしても、定年退職の年齢までに教授にまで登り続けられる保証はどこにもありません。
教授どころか、准教授や講師のポストに着くのも大変で、年齢が50代であるにも関わらず、いまだに助教ということも珍しくはありません。
医師として勤務をすれば、もう少し平穏で、安定した生活が得られるにもかかわらず、あえて厳しい医学部教員、医学部教授を目指す道に進むのには一体どんな理由があるのでしょうか。
医学部教授に、みんながなりたい理由
こんな一般には理解できないような、医学部教授を目指す理由は何なんでしょうか。
医学部教授の魅力とは?
医学部教授の年収は、大学以外の給与も合わせるとかなり高い
医学部教授に大学から支給される給与は、年間1000万円程度と書きました。しかし、実はこの000、「大学から支給される給与」だけが医学部教授の年収ではないのです。
大学の医学部の教授は、医師免許を持っています。
そのため所属する大学の附属病院で、医師として勤務することもあります。
その場合には、医師としての勤務の手当が、大学医学部教授としての給与に上乗せされることがあります。
さらに、その分野で名の知れた存在になると、系列病院に出向いて、非常勤で勤務することもありますし、特定の手術を行うこともあります。
医学部の教授はこれらのアルバイトのような活動で収入を得ることができるのです。
自身の専門分野で一定の地位を確立した医学部の教授であれば、大学からの給与と医者としてのアルバイトの収入で年収5000万円程度になる人もいるそうです。
普通の勤務医ではこのレベルには到底到達できません。
大学の医学部の教授というポストに付いていてこそのものです。
医学部教授の社会的地位は非常に高い
医学部教授と言えば、社会的地位が非常に高いということも魅力のひとつです。誰もが知っている、「医師」という職業に加えて、「大学の教授」という立場も持っているんですから。
誰の目からも賢くて優秀、立派な人であるということは明らかです。
本人は気分はいいでしょうし、医学界だけでなく広いコミュニティで尊敬される存在になれるでしょう。
自分を慕う多くの医学関係者も増えてきますし、製薬企業の営業担当や学会関係者にもちやほやされます。
有名になればテレビや雑誌の取材を受けたり、本を出す人もいます。
いつか選挙に出て、議員になれるかもしれません。
医学部教授になれば知的好奇心が満たせる
医学部教授になれば、大学で医学研究をすることができます。日常業務や患者の対応に追われている、普通の勤務医ではこうはいきません。
元々医学部に進学した人の中には、現場で患者に触れ合うことよりも基礎的な医学研究に興味があった人もいます。
こういったタイプの人にとっては、医学部教授をはじめとした大学医学部のポストは非常に魅力的です。
医学部教授はうまくやれば現場の医師よりかなり楽
医師は給与が高いけれど激務で、ブラックと言うことが時々問題視されています。人手不足の診療科や地方の中規模病院ではこれらの傾向が顕著です。
しかし、「医学部の教授」というポストでうまくやれば、非常にホワイトで楽な職場環境で働くことができるのです。
すくなくとも自分だけは。
というのも、医学部の教授であれば多くの医師を部下として、持つことになります。
中には、医療の現場に出て行くことが好きな医学部教授もいますが、そうでなければ患者の対応は部下にやってもらえばいいのです。
本人は、学術的なことや政治的なことを中心に活動して、毎日定時で帰るということもできます。
その分野の専門家として招かれた学会や手術の場にも、10分程度顔を出して帰ってしまう。
そんな要領のいい、ホワイトな働き方も可能です。
医学部教授になれば、普通の医師とはかけ離れた、自由度の高い働き方も可能になるんですね。
医学部教授の年収は低い?なのに競争が激しい理由:まとめ
以上、医学部教授の年収が低い割に、非常に競争が激しい理由について整理しました。
医学部教授の年収は、大学からの給与だけを見ればそれほど魅力的ではありません。
しかし、アルバイトをこなせば、勤務医よりもはるかに高い年収を手にすることもできます。
普通の医師と異なり、とても自由度の高いホワイトな働き方を選ぶこともできます。
研究に没頭する人もいるでしょう。
医学部卒業=勤務医または開業医という選択肢だけではないのです。
現役医学生や、医学部志望の受験生も、医学部教授を目指して頑張ってみるのもありかもしれませんね。
では。
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