研究職は年収低いぞ。お前らそれでもいいの?悲惨な結果が待っているかも


研究職ってどんなイメージですか?

あまり研究職に馴染みのない世間の一般の人からは、「賢そう」「科学者なの?」「専門職だね」「すごい」「高学歴!」なんてイメージを持たれています。

なんか良いイメージですね。

そして、「研究職ってお給料、年収高そう」なんて思われていたりします。

しかし、現実はそうではありません。

研究職は年収が低いです。

これほんと。

例えば同じ会社で、研究職と営業職だと、確実に営業職のほうが年収が高いです。

また、研究職は募集人員が少なく、狭き門です。

研究職に固執すると、大手企業をあきらめ中小の零細企業に流れていくことになりかねません。

当然零細企業では年収が低いです。

えー研究職って、なんか発明したらお金もらえるんじゃなの?なんていう人が時々います。

たしかに、ときどき発明の対価を求めて裁判起こす某企業研究員のニュースや番組があってたりします。

でも、あんなことは、まず起きません!

研究職を目指すひとはたくさんいます。
かなりの努力と運がなければ就業することができません、難関なんです。

それにも関わらず、研究職は年収が低いです。

研究職を目指す若者に問いたい…。

お前らそれでいいのか!?

お前らよりも低学歴、大学時代もちゃらちゃら遊んでた、同期入社の営業職のほうが年収高いんだぞ!

本当に研究職でいいのか?

この記事で整理してやるから、ちょっと冷静に考えるんだ!目を覚ますんだ!




研究職は高学歴でも年収が低い


多くの企業では、職種によって若干年収が異なります。

新入社員の基本給がどの職種でも共通であった場合も、最終的な年収には差が出るのです。

そして問題の研究職ですが…営業職と比較して年収が低いです!
というよりも、営業職が年収面で優遇されているのです。

え!

研究職の人って賢い=高学歴なんじゃないの?

日本は高学歴=高収入じゃないの?って思いますよね。

確かに同じ企業で、研究職と営業職の新入社員を比較すると、研究職の方が難関大出身者だったりします。

でも、残念ながら、それは給与に反映されません。

研究職が営業職よりも年収が低い理由


なぜ、研究職が営業職よりも低い年収になってしまうのか、それにはいくつか理由があります。

まず年収、給与は何で構成されているかを考えなければなりません。
先ほど、「新入社員の基本給がどの職種でも共通であっても、年収には差が出る」と書きました。

普通の会社では、基本給に加えて、「手当」として支給っされたお金が給与、年収になります。

研究職は手当が少なく、最終的に年収が低い

さて、手当ですが、多くの企業で支給している主な手当は、以下のようなものです。

  • 残業手当:残業したらもらえる
  • 休日出勤手当:休日出勤したらもらえる
  • 外勤手当:外回りしたらもらえる
  • 出張手当:どこかに出張にいったらもらえる
  • 単身赴任手当:会社命令で転勤し、単身赴任となった社員に支給される

実は、この手当、営業職のためにあるようなもので、研究職ではほとんど適用される機会がない、というのが多くの企業の実情です。

研究職は…

  • 急な業務や顧客の要望がありません、だから残業は少ないです→残業手当少ない
  • 顧客の都合で、どうしても休日に対応しないといけない仕事なんかありません→休日出勤なんでめったにない
  • 実験室で仕事をするので、外回りなんかしません→外勤手当は営業職のため
  • 出張といえば学会くらい、それも限られているのでほとんど出張しません→出張手当も営業職のため
  • 営業所のように全国に勤務先が散らばっていません、なので転勤はほとんどありまえん→単身赴任手当は全国を転々とする営業職のため

その結果、最終的に研究職は年収が低いという結果になります。

新入社員として入社して一緒に研修をうけた同期が、3か月後には1.5倍くらい給料をもらっている…なんてこともあり得ます。



研究職は出世しにくい→生涯年収が低いという結果に


長期的にみると、研究職は年収が低いがさらに顕著になります。

おおくの企業では、経営陣は営業職やマーケッティング職といった職務を歴任した社員が就任しています。

研究職の人間ってあまり出世できないんです。

研究所の所長や生産本部長くらいは、研究職出身者がねらえるかもしれませんが、役員メンバーのごくごく一部ですし、社長や会長に研究職出身者が就任することは、非常に稀なケースです。

この傾向は、幹部クラスに限りません。

複数の営業所があり、中間管理職のポストが豊富な営業職とくらべ、研究職周辺はポストも少なめです。

定年まで平社員…という確率も高いため、同じ会社でも研究職の生涯年収は営業職よりもぐっと低いのです。

研究職の発明対価なんてスズメの涙

研究職に就くと、企業で研究して、その成果で売り上げが数百億…そのうち数%を発明者がもらえる、なんて話がありそうなもんですが、あれは夢物語です。

アメリカならありうるかもしれませんがね。
日本ではむずかしいです。

実際発明対価の制度を設けている企業はたくさんあります。

うちの会社も、特許を取れたら手当がもらえます。
でも、たった5000円~30000円。

これだけです。
営業職の外勤手当数回分ですよ。

話になりません、でもこれが現実です。


会社や人事は研究職の待遇なんて気に留めていない

そもそも、なぜ研究職は恵まれていないのか。
企業にとって大切な新製品や新技術の開発をしているのに!

それは、そもそも会社の経営陣や人事が「研究職」を気にもとめていないからです。

営業職って、どの会社でも同じような仕事をしていて、ある程度報酬面で優遇しておかないと、他社に流れていってしまいますよね。

最悪顧客ごと持っていかれます。

だから、ちゃんと業界内の報酬水準を維持しようと、会社は手厚く報酬を支給します。

また、売り上げを上げてほしいから、ノルマとリンクさせて破格のボーナスを設定したりします。

一方、研究職はそれほど簡単に転職ができません。

同じ業界でも専門分野が異なれば転職できませんし、もともと狭き門ですので、募集も営業職ほどありません。

会社側からしたら、「そんなに手厚く報酬を用意しなくても、どうせうちで働くでしょ?」って思っているんですよ。

なんなら、「好きな研究させてあげてるんだから文句ないでしょ?」って感覚です。

ひどい経営者になると「遊びみたいなことやって給料もらうなんで、仕事舐めてるだろ」なんていってたりします。

そんな状態で、研究職が年収低いとか、発明対価くれとか言っても相手にされません。
怒られるだけです。





年収低いけど研究職に就きたい!に固執すると…悲惨な結果も


ただでさえ、年収が低い研究職。

研究職に就きたいと、あまり夢を追いかけると取り返しのつかないことになります。

私の大学の先輩(薬学部)で、研究職に就きたいと就職活動をしていた方がいました。

はじめは大手の製薬企業で就職先を探していたのですがなかなか内定がでず、中小の製薬企業にもトライしていました。

しかし結局内定がでませんでした。

じつは薬学部出身者ならMRに転身すれば大手あるいは中堅の製薬企業に採用されやすいです。
また、薬剤師として働くこともできます。

実際多くの学生は、研究職ある程度粘って、内定がでなければMRに転身、または薬剤師としての就職を考るものです。

しかし、彼の場合「どうしても研究職」に固執し、製薬企業の次は、化粧品会社、食品会社にターゲットを変更していき、最終的に小さな小さな化学メーカーの研究職に内定がでました。

ところが、そのメーカーはとても小さな会社であったため、福利厚生なんてものは全然で、まともに残業代もでなかったそうです。

営業担当のような手当も、出張もなく、大学院卒なのに給与は手取りで14万円ほど。
周りの同僚は皆高卒や専門学校卒で浮いてしまっていたそうです。

頑張って5年ほど勤務した結果、退職し、結局薬剤師をやっています。

このケースでは、薬剤師免許をもっていたから何とかなりました。
しかし、普通の理系の学部出身者だとそういうわけにもいきません。

あまりに小さなメーカーだと、大手への転職など不可能ですから、一生そこから抜け出すことができなくなります。

研究職につけるなら、年収が低いけど頑張れる!なんてことはないのです。

夢を追いかけるのもいいですが、現実をみて進路を考えましょう。

では。


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