回復期は看護師はやりがいがないよな。わかるよ。良い面もあるけどねぇ


看護師は激務で多忙な印象がありますよね。

バリバリとあわただしく働き、患者の容体が急変したら駆けつける、そんなドラマや映画のイメージです。

そんな状況でも一生懸命仕事を続けるのは「やりがい」を感じて仕事ができるからではないでしょうか?

学んだ高度な専門性を活かし、患者の治療に貢献できることで「やりがい」を感じるのです。

でも、一方で「看護師としてやりがいがない」といわれる領域も存在します。
いわゆる「回復期」と呼ばれる患者の看護です。

この段階では、患者はリハビリ中心の生活で積極的な治療、看護を必要としません。

回復期の看護では、看護師は自らの専門性を十分に発揮できない、存在意義がわからないと感じ「やりがいがない」ことに不安とストレスを感じることがあります。

本記事では、回復期での看護師の役割と、やりがいについて整理しておきます。
結論を言うと、やりがいはないです。

でも良い面もあるし、どうしても無理なら転職(転科)すればいいんです。





「回復期」の患者とは


大きな外科手術や、循環器系の疾患を経ていわゆる「リハビリデーション」を要する患者の状態のことです。

これらの回復期の患者は基本的には積極的な医療行為や治療を必要としません。
急性期の患者のように容体が急変したり、死亡したりすることは稀です。

毎日リハビリをして日常生活に戻る前の段階でり、主にリハビリや日常生活の介助を必要とします。

回復期の入院患者が多い病棟、病院は、回復期病棟、リハビリテーション科、リハビリ病棟と呼ばれます。

回復期における看護師の役割


回復期とはいえ、患者の多くは経過観察や定期的な投薬、診察が必要な方が多いため看護師の役割はゼロではありません。

しかし、外科や内科と比較すると、積極的な治療や、看護師としての専門性を発揮できる機会は圧倒的に少ないです。

回復期病棟において、看護師の主な仕事は「検温」や入浴、トイレの介助です。

回復期は看護師としてやりがいがない


看護師としてバリバリと働くことをイメージしていた人は、回復期の患者は看護の「やりがいがない」と感じてしまいます。

具体的には、以下のような不満、不安を抱えることになります。

  • 積極的な医療行為が極端に少ない
  • 看護師の専門性を発揮できない、学習できない
  • 回復期病棟では看護師のスキルが衰える
  • 単純につまらない





せっかく患者は元気に回復しようとしているのに、不謹慎だと感じてしまうかもしれませんが、それなりに勉強して、高度な専門知識をもっているのが看護師ですよね。

それを活かせないのはつらいものです。

また、患者のリハビリテーションをサポートするのが主な役割であるため、以下のような回復期特有の悩み、問題があります。


  • 介護士や理学療法士の方が態度がでかい
  • 元気な患者から暴力やハラスメントを受ける
  • 業務の大半が、看護師でなくてもできるため、存在意義がわからなくなる
  • 長期の入院だと家族のカウンセリングも必要

回復期はやりがいはないけど、良い面もある。


回復期の患者ばかり相手にしていると看護師としてやりがいがない、少ないのは間違いありません。
でもいい面もいくつかあります。

回復期には患者の死に向き合わなくていい


看護師は人間の死に向き合う職業ですが、それは大きなストレスになります。
慣れてしまう看護師ばかりはありません。

一方で、回復期には患者が急変、最悪死亡してしまうということは稀です。
どうしても患者の死がストレスになってしまう看護師にとっては、回復期の方が気が楽になります。




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回復期病棟は看護師にとってホワイトな職場

回復期の患者の日常はイレギュラーなことはあまり起きません。

看護師になるのはやめておけは本当か?人間として失うものが多すぎる?

転倒したりしてケガをすることはありますが、起床して、食事、リハビリ、入浴、就寝といった日常がスケジュールに通りに過ぎていきます。

そのため、残業や時間外労働に振り回させることはなく、看護師をはじめとしたスタッフは定時で仕事を終えることができます。

激務、多忙という看護師のイメージとは異なります。
プライベートを優先したい、あるいは子育て中の看護師にとっては望ましい環境です。


回復期の看護師医療に貢献している

回復期の患者は、退院後は日常生活に戻っていきます。

患者が病院に運ばれてくると、急性期で治療を受けますよね。

その後、回復期を経て元気に退院していくのは、医療従事者としては喜ぶべきことです。
「おかげで、無事に日常生活にもどれます」と患者が感じてもらうには回復期のスタッフの貢献は必須です。

他科のように最前線で専門性を学ぶことはできませんが、リハビリ技術や整形分野の専門性は身に付けて、十分に医療全体に貢献できます。





それでも「やりがいがない」ことが苦しいなら


それでも回復期の治療に看護師として「やりがいがない」、と感じるならば転職(転科)をするという手があります。

積極的な医療行為で患者に貢献したいと考えるのは別に悪いことではないです。

回復期の患者の相手ばかりだと、やりがいがないだけではなく、看護師としてのスキルが落ちていくことを不安に思う人もいますからね。

外科や循環器などは看護師の人手が足りません。

そちらの分野で活躍したいと考える看護師を回復期病棟やリハビリテーション科に配属させておくのは、完全にミスマッチです。

看護師だけではなく、患者にとっても病院にとってもメリットありませんから。