薬剤師が先生と呼ばれるのは、尊敬されているわけじゃないみたい

病院で「先生」っていうと誰のことだと思いますか。

先生=医師ですよね。

すくなくとも患者にとってはそうです。

でも、じつは薬剤師も先生と呼ばれるのです。

本記事では、誰が薬剤師を先生と呼んでいるのか、なぜ薬剤師が先生よ呼ばれるのか。
整理しています。

先生=偉い人ってイメージありますが、薬剤師が先生と呼ばれるのは、必ずしも偉い、尊敬されているわけではないみたいです。


世の中には先生と呼ばれる職業があります。

普通に考えると、医師、歯科医師、学校の教師なんかが先生です。

日本語的には「~師」というのは「先生」という意味がありますね。

なので「~師」という資格をもって、その仕事をしている人は「先生」なのでしょう。
だから、薬剤師も先生になります。

でも、一般の患者が、先生と聞いてイメージするのは医師です。

誰が薬剤師を先生と呼んでいるのか?


患者が薬剤師に対して「~先生」と呼びかけることはありません。

同じ病院関係者の医師や、看護師、理学療法士も薬剤師のことは先生とは呼びません(病院によっては、薬剤師が先生と呼ばれていることがありますが、すべてではありません)。

薬剤師が先生と呼ばれるのは、製薬企業のMRやMSLと面会したときです。

彼らは、薬剤部や薬局の薬剤師のことを「先生」と呼びます。

たとえ、薬剤師国家試験に合格したての、若い新人薬剤師も先生と呼ばれます。

なんなら、私も学生時代に病院実習していたら、製薬企業のMRから「先生」って呼ばれました。

彼らは、医師でも薬剤師でも先生って呼ぶんですよ。

だって取引先ですからね。

なんならMRは看護師のことも先生とよんでいます(面会機会はすくないですが)。


先生って便利な言葉


薬剤師が先生と呼ばれる理由は、別に特別尊敬されているからではありません。
先生って便利な言葉なんです。

一般企業の部長や課長といった役職を就ける呼び方は面倒だし、変化したりします。
その点、先生って一応尊敬している相手に使う言葉なので、失礼にも当たりません。

あー、この薬剤師(医師も)なんて名前だったっけなー、やべー度忘れしたわー、なんて困ったMRは、とりあえず「先生」って呼んどけばその場を切り抜けることができます。



薬剤師は先生と呼ばれるのがうれしいのか?


MRに先生と呼ばれることを少し恥ずかしく思う薬剤師もいるでしょうが、特別それでうれしいと思う人もいません。

薬剤師国家試験に合格して、「よっしゃ、俺様は先生だ」なんてテンション上げる人もいないでしょ。

なんかこっぱずかしいだけです。

「いえいえ、先生なんかじゃないですよ~、やめてください。」って心のなかで言ってることでしょう。

それどころか、MRから先生と呼ばれる場面を、看護師や医師に見られたらなんか嫌ですよ。

「あの人、先生って呼ばれて偉そうにしてた。」なんて後から言われてそうで。

薬剤師になったら先生と呼ばれるよ(うれしいでしょ?)なんて言ってくる人がいますが、よく理解できません。

昔誰かから、博士号(Ph.D)とったら海外に行く飛行機内で「Dr.~」って呼ばれるよ!なんてことを言われましたが、それと同じですね(←実際は呼ばれたことありません、航空券の情報にMrやMsではなくDrと書けるみたいですけど)。

はーそうですか。って感じです。

「薬剤師=先生と呼ばれる」支持派も


薬剤師が先生と呼ばれることを、当然だ!という意見もあります。

現在は薬学部の薬剤師養成課程は6年制で、医学部、医師と同等だ!という主張です。

まー、なんか言ってることはわかるんですけど。

客観的にみて、年収も医師と薬剤師は全然違うし、大学受験の難易度も全然違います。

医療現場での患者に対する接点も、直接の責任も全く違うので、同じ6年間の教育を受けたから同等だ!って言われてもねぇ。

米国の薬剤師のように、医師に近い権限として、処方権を一部与えられたりしたらもっと胸をはって「先生と呼ばれる」ことができると思いますが、それはもっともっと先の未来になりそうです。

では。

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