【悲惨】薬剤師は飽和するしMRなるわ→20年後→MRいらないし削減だ


ここ数年で、製薬企業において「MR削減」がすすんでいます。
製薬企業の営業職であるMR(Medical Representative)がいらない、過剰だから削減するというのです。

事実、ここ数年の間に、多くの製薬大手では大規模リストラが進行しています。
MRだけをねらったリストラだけではありませんが、製薬企業の従業員の多くはMRですので、実質MR削減ということです。
MRは薬学部を卒業した学生にもとても人気のあった職業で、私の知り合いでMRとなった人もたくさんいます。

本記事では、「もうMRいらない」「MR削減しよう」となった背景について記載しています。







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昔は「MRいらない」どころか大人気だった

製薬企業の営業職であるMR(Medical Representative)は年収が高く、とても人気のある(あった)職業です。

営業職とはいえ、専門的な医薬品、医学に関する知識が必要な職種であったため、理系学部、特に薬学部卒の薬剤師免許保有者であれば、大企業に採用されることも容易でした。

薬剤師の平均年収が400 ~ 600万円ほどであるのに対し、製薬大手のMRであれば20代で年収1000万円を超えることも不可能ではなかったのです。

また、こちらの記事でも記載していますが、一部「医師に取り入るため、MRは顔採用だ」という噂が立つほど、たとえ文系学部卒であろうとも、容姿の優れた学生を採用していた時代があり、各社が学生を取り合って大量採用をしていた職種です。

当時は、MRはいらないどころか、MR不足でとりあえず文系卒でもいいから人数を確保して、各社で採用後に教育するということが当然でした。
将来的にMRがいらないとか削減されることなど、予想していませんでした。

薬剤師の飽和に危機感を感じてMRとして就職

20年前、私が学生だったこと、多くの後輩、同級生、先輩たちが卒業後に薬剤師にならずに、MRとして就職していきました。

MRとしての営業職に魅力を感じたケースも当然ありますが、当時から「薬剤師はいずれ飽和する」と言われていましたので、多くの薬学部学生は薬剤師以外の職種を考えていたことも背景にあります。

実際、当時は以下のように「薬剤師が飽和する」ことの危機感があおられていました。

  • 薬学部の6年制化により、近い将来「優秀な」薬剤師が大量に生まれる
  • 規制緩和による私立大学薬学部の増加(薬学部の定員増)による、薬剤師過剰供給
  • 看護師への調剤権の付与がされるのではないか

また、同じ製薬企業でも、薬剤師免許を保有していれば簡単にMRとして採用されるため、はじめは研究職や臨床開発職を志望していたけれど、MRに路線変更する例も非常に多くありました。

MRは外勤手当等豊富ですので、彼らの羽振りはかなり良かったと思います。

それが現代においては多くの製薬大手では大規模リストラが進行し、MR数の削減が進行しています。





MRの削減がすすんでいる

5年ほど前から、一部の超好調な製薬企業を除き、有名どころの大手製薬企業でリストラによる人員削減がすすんでいます。
直近の2015年~2018年でもアステラス製薬や仏サノフィ、米MSDなどの大手で早期退職者の大規模な募集が行われています。

2015年~2018年に行われた大規模な人員削減
サノフィ:約300人
アステラス製薬:約600人
ベーリンガーインゲルハイム:約300人
MSD: 約400人
大日本住友製薬:約100人
田辺三菱製薬:約600人

主要なターゲットは社員の大部分を占めるMRです。
MRはもういらないと判断した、大手企業が体力のあるうちに割り増し退職金を支払ってでも削減をすすめているということです。

MRはいらないのか:削減が始まった理由

各社がMRを削減しているのには理由があります。
ここ数年で、現在の大手製薬企業が販売していた主力製品が相次いて特許切れを起こしました。
これらの製薬企業は15年ほど前、「ブロックバスター」と呼ばれる1製品で数百億~数千億円の売り上げをたたき出す製品を開発し、それにより企業規模を大きくするというビジネスモデルで成功を収めた企業なのです。
20年ほど前に私が学生だったころから、大量にMRを必要としていたのは、この「ブロックバスター」の発売と、販売拡大のためだったのです。

結局あとに続く製品開発に失敗、遅れがでたため、売るものがありません。
その結果、大量に雇用したMRはもう、いらない、削減しよう、ということになったのです。





削減されたMRはどこに行く

私の知り合いでも、勤務先企業の人員削減案に乗っかり、最近転職した人が何人かいました。

運よく他社のMRとして採用された人もいます。
この人たちはひとまず、MRとして延命できたことになりますが、転職先が人員削減をいつ始めるか不安だといっていました。

薬剤師免許を保有していた方のなかには、薬剤師として第二のキャリアをスタートさせる人もいたようですが、もともと高収入のMRだったため、家族に迷惑をかけるのがつらいようです。
いったん裕福なエリートサラリーマンの味をしっているだけにつらいものがあるのだそう。

MRとしても残れない、薬剤師免許もない、非薬学系の学部出身者はかなりつらいようです。
特に文系出身者は、別業界の営業職への道を選んだかたもいたようですが、年収面や、慣れない仕事、新しいスキルが必要とのことで大変そうでした。

MRはもういらない、でもMSLが必要

製薬企業はMRを削減した代わりに、より高度な医学的知識を有し、医師と対等にチームを組めるMSL(Medical Science Liaison)という人員を増やそうとしています。

MR体制の時代よりも少数精鋭、より高度な専門性の職種で、薬学系の修士卒や博士号取得者を中心とした人員のチームですが、一部の経験豊富なMRはMSLに転身して活躍しています。





そのうちMSLも「いらない、削減だ」となるのか

しかし、MRという職種が作られる前、製薬企業の営業担当は「プロパー」と呼ばれていました。
「プロパー」よりもより専門性の高い営業担当者を、ということでMRができた歴史があります。
そしていま、「MRはいらない、削減だ」となり、より専門性の高いMSL部隊ができたということです。
数年後には「MSLはいらない、削減だ」と言われているかもしれません。

現在、就職活動中の学生、在学中の薬学部学生はしっかりと業界の今後の方向性を見極めて、キャリア形成をしていってもらいたいものです。

では。

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