薬学部の就職難時代が来たら…薬学生の弱みとは


薬剤師は過剰供給、いずれ飽和するといわれています。

そうなれば、主な就職先である「病院」「調剤薬局」で就職ができない、薬学部の就職難時代が訪れるというのです。

しかしこれは実は数十年ずっといわれ続けていることです。

実際に薬剤師の数は増加傾向にありますが、これは日本において、今後、超高齢化社会を迎えるにあたり(薬剤師に限らず)、医療従事者の需要が増しているからです。

政府は意図的に医療従事者を増やし、将来に備えているのです。

それでもいずれ、本当に来るかもしれない「薬学部就職難時代」におびえて、心配だと言う薬学部学生、薬学部を志す若者もいることでしょう。

本記事では、本当に「薬学部就職難時代」が仮にやってきた場合、薬学生の弱みは何なのか、どう準備しておけばよいのかを整理しています。

薬学生、薬学部志望者、そのご両親の参考になれば幸いです。



薬剤師の需要さえあれば「薬学部就職難時代」は来ない


2019年現在、日本には70以上の薬学部、薬科大学が存在しています。

毎年6年間の薬剤師養成課程を修了した学生が、薬剤師国家試験を受験、合格することで「薬剤師」となっています。

過去20年くらいの推移をみると、合格者数は一定に保たれており、毎年10000人ほどの合格者がでています。

毎年10000人も新たに薬剤師になって大丈夫?すぐにいっぱいになるんじゃないの?と不安になるかもしれませんが、2019年現在においても、薬学部の卒業生の就職率はほぼ100%です。

Fランク薬科大卒だろうが、東大薬学部卒だろうが、いくらでも薬剤師としての就職先があるのです。

これは超不景気の就職氷河期だろうが、リーマンショックがあろうが変わりませんでした。

ちなみに薬学部の卒業生の中には、製薬企業への就職を希望する学生もいます。

彼らの中には、希望通り企業からの内定をもらえない場合もたくさんあります。

でも大丈夫。
企業の内定がとれなければ、皆、妥協して、調剤薬局や病院に就職します。

すなわち、調剤薬局や病院は企業志望者の「すべり止め内定先」としてさえも機能しているのです。

医療現場での薬剤師の需要がある限り、「薬学部就職難時代」は決して来ないのです。



薬剤師の需要がなくなる日=薬学部就職難時代?


では、もし、薬剤師の需要が医療現場で減少する、あるいは、供給過剰となり飽和に近づいてくると「薬学部就職難時代」が訪れるのか?というと、そうではありません。

なぜなら、もともと「薬学部卒業=薬剤師になる」ではないからです。

前述のように、薬学部卒業者の中には、工学部や理学部、農学部の出身者に混じって、製薬企業の営業、臨床開発、研究といった職種に就く者もかなりの数います。

薬学部で学ぶことは、他の理系学部と重複することが多いのです。

薬剤師の需要が減ると、これら企業に進む割合が増えるだけで、即座に就職難にはならないのです。

さらにいうと、薬剤師の需要がなくなった分、学生はこれまで主な就職先としていた「製薬業界」だけではなく、「化粧品業界」「化学業界」「食品業界」へ自然に進出していくことでしょう。

これにより、工学部や理学部、農学部の出身者と内定枠を巡って競うことになりますが、これは「薬学部就職難」ではありません。

限られた内定枠を、理系学部で奪いあう「理系学部就職難」です。



薬学部の就職難時代、薬学生の弱み


ただし、薬学部の学生は他の理系学部と異なり、企業就職を目指した際の弱みがあります。

それは、その専門性です。

薬学部は6年制のため、いざ就職活動となると他の理系学部の大学院修士課程卒業生(学部4年+大学院2年)と競争することになります。

同じ6年間の教育を受けていても、実は薬学部の場合5年次に病院や調剤薬局の実務実習が必須であったり、薬剤師国家試験対策があります。

「医療従事者としての専門性」を持っているのです。

そして薬学部では研究室での基礎研究に割く時間がどうしても限られてしまいます。

この「医療従事者としての専門性」は、薬剤師になるなら必須ですが、残念ながら企業に就職する場合それほど重要視されません。

一方、他の理系学部は大学4年生から大学院2年生までの3年間、研究に没頭することができます。

企業はこの現状を知っているので、同程度の評価の学生が候補に挙がった場合、薬学部出身者では理系学部出身者より不利になってしまいます。





薬学部の就職難時代に薬学生がやるべきこと


一般企業の就職において、薬学生が他の理系学部性よりも不利だから危険、と判断する必要はありません。

薬学部が就職難になるかも?と思っているのであれば、きちんと危機感を持って備えればいいだけです。


就職難なら英語は必須です


まず、在学中に英語の勉強をきちんとすることは必須です。

具体的にはTOEICや英検といったわかりやすくて、履歴書に書ける英語のスキルをつけておきます。

別記事(TOEICスコアが低いから就活で書かないって言ってるやつまじ終わってる説)でも書いていますが、今時TOEICのスコアを履歴書に書かないと、大手の企業では相手にされません。

現在の薬学部の学生は、薬剤師というセーフティネットがあるため、あまり危機感を持っていない人もいます。

でも、他の理系学部、文系学部のまじめな学生は在学中にしっかりと就活に備えているのです。




薬学部であることを活かせば就職難を乗り切れる


もう一つは薬学部であるメリットを最大化することです。

特に病院や薬局実習での経験を最大化しましょう。

数か月にわたり現場にでる実務実習は、中途半端なインターンよりも得るものが大きいはずです。

また、患者や他の医療従事者との関わりと通して、社交性を高める機会もあるはずです。
製薬企業への志望動機となる材料もたくさん集まります。

薬学部=薬剤師教育という意識を捨てて、学生生活を送ることで、十分に対応できるはずなのです。

そうすれば、薬学部に就職難など訪れません。

むしろ、他の理系学部の内定先を奪ってしまうことでしょう。

では。


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