製薬会社の仕事は基本楽ちん。でも「きつい」職種はある

製薬会社は一般に福利厚生が充実していて、給料が高く、人気があります。

他業種から転職して来た人だとその待遇の良さに驚くこともあります。

それだけ福利厚生や給料面で恵まれているなら、製薬会社の仕事はさぞ「きつい」んだろうな、と思う人もいます。

結論を言うと、製薬会社の仕事がとくに「きつい」ということはありません。
むしろ楽なくらいです。

ただし、職種によっては「きつい」ものや、「きつい」側面があります。

本記事では、製薬会社の仕事における「きつい」側面、「きつい」職種について解説、整理しています。



製薬会社はホワイト企業の代表、優等生


まず、製薬企業は他業種と比べて、「きつい」ということはありません。

仕事がきついというと、過剰なノルマ、給与に見合わない過酷な労働、取引先との接待、職場でのハラスメントといったイメージですよね。

製薬は、これらのネガティブな要因が比較的少ない業界です。

産業界の中でも「ホワイト企業」が多いのが製薬業界なのです。

製薬会社の仕事ではきついノルマは少ない


製薬会社でも営業職(MR)だと販売目標の数値はあります。

ただし、それほどきついノルマが課されることはありません。

というのも、医薬品の性質上、ごり押しして取引先に購入させることで売り上げを伸ばせるものでもないからです。

医師に自社医薬品の特徴、利点、他社品との差別化を説明をして、最終的に処方してもらうよう促すのが仕事だからです。

過剰なノルマを課したところで、どうにかなるものでもないというのが業界の認識です。


製薬会社の仕事ではきつい労働はない


基本的に、製薬会社のように高価な商品=利益率の高い商品を扱う企業は、社員に十分な給与を支払っています。

また、製薬会社としては「利益の追求よりも人の健康、命を尊重する」といったイメージがとても重要です。

もし、長時間労働などにより、社員の健康が害されたり、関連法規の違反が起きると、会社のイメージが傷つきますので、ブラック企業のように無茶苦茶なことをする製薬会社は基本的にありません。

取引先(医師)への接待は製薬会社では制限されている


かつて、各製薬会社が医師に対して過剰な接待を競って行い、適切な医薬品の使用を阻害していた自体がありました。

その当時の供給を活かし、現在では、製薬協(日本製薬工業協会)自主基準を作成し、医師への接待や贈り物をとても厳しく制限しています。

自主基準の無い他業界と比較して、接待の予算や頻度はかなり少ないのが現状です。




製薬会社では仕事場でのハラスメントは少ない


製薬会社では、目立ったハラスメントはそれほど多くありません。

なぜなら、営業職含めた社員の多くが理系学部(かつ比較的高学歴)の出身者が多く、いい意味で「後先考えて、論理的に行動、発言する」社員が多いためです。

そのため、その場の感情にまかせて怒鳴ったり、あからさまなセクハラといった案件は比較的少ない業界です(水面下では行われているようですが)。

製薬会社の仕事でも「きつい」ことがある


さて、そんなホワイトな製薬会社の仕事ですが、一部の職種については「きつい」側面もあります。

主な製薬会社の職種として、営業職(MR)、研究所の研究職、工場勤務の生産技術職について整理してみます。





営業職の仕事で「きつい」ポイント


製薬会社の営業(MR)の仕事では、他業種と比べてノルマや接待は少ないことを前述しました。

一方で、製薬会社特有のきついポイントとして主なものが2つあります。

1つ目は、MRは自社医薬品や他社医薬品の勉強を常にしておかなければならないという点です。

自社製品の勉強なんて他業種でもやってるとと思うかもしれませんが、MRの場合、取り扱っているのが「医薬品」であるという点です。

しかも相手が医師なので、かなり専門的なレベルで医学、薬学、生命科学の知識が求められます。

薬学部出身者であれば、ある程度は対応できますが、文系学部出身MRだとかなり苦労することになります。

2つ目の「きつい」ポイントは、時間が不規則になることです。

他業種と違い、取引相手である医師は、日中診察で時間が取れません。

必然的に医師との面会ができるのが、診療が終わった夜間、または週末ということになります。

帰宅が遅くなったり、休日に医師との面会のために仕事に出向くといったことがありますので、家庭やプライベートをある程度犠牲にすることになります。

研究職系は「きつい」仕事が好み?

研究職の場合、仕事は「きつい」のでしょうか?

これについては、各個人によります。

というのも、基本的には内勤で、多くはフレックスタイム制をとっている割と自由の効く職種です。

ある程度楽をしようと思えばできてしまう職種です。

それにも関わらず、製薬会社の一部の研究職の社員、遅くまで残って仕事をし、自ら好んで「きつい」状況に身を委ねます。

これは、単純に好きで研究に没頭していること、そして学生時代に早朝から深夜まで研究室にこもって(無給で)研究活動を行っていたライフスタイルが染みついているためです。



マジな話は生産技術系がきつい仕事だ

製薬会社といえばMRや研究職がぱっと頭に浮かぶ人が多いとおもいますが、マジな話をすると工場に勤務する生産技術系の職場が一番きついです。

製薬会社は、医薬品の開発だけではなく、いったん販売を開始した薬については安定供給を続ける義務を課せられています。

患者がいつも飲んでる薬が急に欠品になると、命にかかわるからです。

どんあ事情があろうが、採算があわなくなろうが、必ず必要な量の医薬品を生産、出荷する必要があるのです(もし欠品となれば、最悪の場合、厚生労働省から指導、ペナルティを受けます)。

そのため、生産現場は生産計画に問題がないか常に緊張、緊急時には24時間操業となり、体力的にもかなりきつい職場となります。

また、地方の土地が安い場所に工場が建設されている場合があるため、常に人手不足で忙しいです。

あまりの人で不足で、時々地元のヤンキー上がりの社員が紛れ込んでいて、職場の風紀を乱します。

製薬会社の仕事で一番きついのは、生産現場の技術職です。


製薬会社の仕事が「きつい」かは業種によっても変わる


もう少し補足をしておくと、同じ製薬業界の中でも業種によって若干事情がことなります。

一般的に仕事は新薬系よりもジェネリック医薬品系、ドラッグストアで買える一般用医薬品系の順に仕事がきついです。


これは、取り扱う商品の利益率の順になっています。
新薬系に比べ、ジェネリック医薬品や一般用医薬品では十分な利益を出すためには、限られた社員で、たくさん開発して、たくさん生産して、たくさん販売しなければなりません。

必然的に、社員一人当たりの業務量が増える、あるいは同じ仕事量でも報酬が少なくなってしまいますので注意が必要です。

では。


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