「将来の夢は薬剤師」という小学生を考察!小学生とその親向けのアドバイスも

将来の夢は薬剤師という小学生を考察

「将来の夢は薬剤師」という小学生を考察!小学生とその親向けのアドバイスも

毎年、小学生が将来就きたい職業(将来の夢)ランキングの発表ってありますよね。

大人は自分の職業がランクインしてたりすると嬉しいんじゃないですかね。

2020年のクラレによる調査結果なんですが、なんと「薬剤師」が上位にランクインしてるじゃあないですか。

正直意外です、というのも、小学生から見て薬剤師って目立たないと言うか、ぱっとしない職業だと思うんですよね。

医療系のドラマでもスポットが当たることも少ないし、「薬剤師」という仕事自体が小学生から認識・認知されていない可能性すらあると思っています。

それにも関わらず、まさか小学生(女子)の将来の夢で2020年に5位、小学生(男子)だと12位にランクインしているようです。

うーん、本当に意外。

というわけで今回は、「将来の夢は薬剤師」という小学生を考察していきます。

また、「将来の夢は薬剤師」という小学生とその親向けのアドバイスもできたらと思います!



小学生が将来の夢を薬剤師というのが不思議だ


冒頭でも書いたように、小学生の将来の夢に薬剤師がランクインしているのが個人的にはとても不思議です。

私自身が薬学部を卒業して、薬剤師免許を持っている身なので、なんなんですが、ぶっちゃけ薬剤師の仕事ってそこまで認知度がないと思っています。

特に小学生から見たときに、医師や看護師と比べて格段に存在感が薄いのではないでしょうか。

実際に、薬剤師がどういった業務を行っているのか理解している小学生は、すごく稀な気が・・・。 

小学生って、もっと、「わかりやすい職業」とか、それこそ「夢みたいな職業」を好むように思いますが。

事実、小学生の女子の5位に薬剤師がランクインしていますが、その上には保育士や看護師、医師エといった、いわゆる メジャーな職業がランクインしています(下図 出典:2020年版小学6年生の「将来就きたい職業」)。

小学生将来の夢

男子の場合も、トップはスポーツ選手だったり、医師や警察官などが上位にきています。

子供は薬が嫌いなはず・・・なのに将来の夢が薬剤師?


ただでさえ、薬剤師という職業があまり目立たず、小学生にとって認知度が低いと思っているのですが、それに加えて、そもそも子供って薬が嫌いじゃないですか?

同じ医療従事者でも、病気を治してくれるお医者さんや看護師さんと違って、薬剤師は「嫌いなお薬」を販売しているわけですよ。

だから、(特に小学生の低学年だと)薬剤師に憧れを抱くって、なかなか想像がつきにくいです。

「薬剤師さんがくれたお薬におかげで、病気が良くなった!薬剤師さんすごい!」って思ってくれているのかな?


「将来の夢が薬剤師」という小学生の背景を想像してみる


事実として、「将来の夢が薬剤師」という小学生が多数存在するわけですから、いったい彼ら/彼女らがなぜ将来薬剤師になりたいという夢を抱いているのか、ちょっと想像というか考察していこうかと思います。

人の役に立ちたい


薬剤師という仕事は、医師や看護師とは患者とのかかわり方が大きく異なるものの、一応看護師や医師と並ぶ医療従事者です。

その事を考えると、将来の夢で薬剤師を挙げる小学生は、単純に人の役に立つ仕事がしたい、と思っているだけなのかもしれません。

手術や注射をするお医者さんとか、看病をする看護師さんよりも、お薬を調合する役割で人の役に立ちたいから、将来の夢を薬剤師としているというわけです。

なぜ「薬を調合する役割がいいのか?」と、ツッコミたくもなりますが、まー小学生の頃に抱く将来の夢としての職業だから、そこまで深く考えた答えを求めなくてもいいですね。

家族や親戚、周りの大人が医療従事者、薬剤師


薬剤師に限らず、小学生が将来の夢に挙げる職業は、家族や親戚、周りの大人による影響が大きいです。

そのため、周りの大人が医療従事者であったり、薬剤師そのものであったり、といったことがある小学生は、将来の夢に薬剤師を挙げたりすることもあるのかと。

周囲の大人が、「将来、薬剤師はどうだ?」とか「薬剤師のいいところや仕事内容」を話してきかせていると、小学生のころから「薬剤師」という職業が選択肢に入り込んでくるのででしょう。

逆に、そうでもないと薬剤師という職業が、小学生の頭にパッと自然に浮かぶことは少ないように思います。

高校生・大学生の兄弟や親戚の影響


あるいは年上の兄弟や親戚・いとこがいる場合、彼ら、彼女らの進路が小学生の小さい子供の職業選択にも影響します。

具体的には、薬学部に通っている大学生や、薬剤師を将来の夢と語っていたり、薬学部への進学を検討している高校生とかです。

そういった年上の親族の影響は大きくて、小学生が「自分も将来の夢は薬剤師」と考えるきかっけになるでしょう。


薬剤師を題材にした漫画やドラマ、ファンタジーも


冒頭で、薬剤師は、医療系ドラマでスポットが当たることが少ないと書きました。

まー、地味な裏方仕事ですし、患者の死に直接触れ合う仕事としては医師や看護師の方がイメージしやすいですからね。

ドラマの題材として、緊迫感がなくて、あまり面白くないのかもしれません。

とはいっても、最近では薬剤師を題材にした漫画やドラマがあるようです。

また薬を調合するキャラクターが登場する、ファンタジー作品も。

こういったものの影響を受けて、薬を取り扱う仕事 である薬剤師が、小学生の将来の夢の選択肢として挙がっているのかも。

理科が好きな小学生は将来、薬剤師になりたい?


少し前に、日本の教育現場で、「小学生の理科離れ」が問題となっていましたね。

最近はどうなんでしょう。

将来の夢を薬剤師に挙げる小学生は、単純に学校の授業の理科が好きだから、という背景かもしれません。

大好きな理科を、将来の仕事にするには何の職業につけばいいのか?と考えた末の薬剤師とうことですね。

余談ですが、私も確かに小学校の頃から理科は大好きで、結果的には薬学部に進学しています。

お薬を開発する科学者


世の中には大変な病気、治らない病気が沢山あります。

この事実は割と小さい子供や小学生でも知っていますよね。

いつか、特効薬や新薬を開発して、こういった世の中の難しい病気を治したい、と科学者を目指している小学生って実は結構いるんじゃないでしょうか。

私自身も小学生の頃、将来の夢に「新薬を開発する科学者」と書いていました。

その時はそれほどまでに強い思いではなく、単に宿題で「将来の夢」の作文を書けと言われたから書いただけなのですが、高校生になって大学の進学先を選ぶ際に「薬学部」が出てきたのは、そういった小学校の頃の漠然とした夢があったからだと思います。

大人になって、製薬企業で働くようになってからは、本当は新薬の開発をするのは薬剤師ではなく、製薬企業の研究者、加えて現場の医師の貢献も大きいのですが、小学生のイメージでは「薬を開発する=薬学部・薬剤師」といった印象なのでしょう。


現実的な小学生も「薬剤師=給料が良い、安定している」


とはいえ、小学生の将来の夢で「薬剤師」が一定数あって、かなり上位にランクインしている事を考えると、ここまで書いたような理由だけではなく、割と現実的な考え方を持っている小学生が沢山いるのかなとも思います。

というのも、将来の夢は薬剤師という小学生の中には、ただの憧れや、やってみたい仕事ではなく、きちんと職業としての薬剤師を理解した上で、なりたいと考えているのではないかと。

やはり、薬剤師をはじめとした医療系の職業って、それなりに安定していて、不況下でも食いっぱぐれることはありません。

特に、日本は国民皆保険制度によって、医療機関の経営は税金によって支えられている側面が大きく、公務員に近い様式になっていますから。

そのため、医師、薬剤師、看護師といった職業は、食うための仕事として魅力的ですよね。

薬剤師の場合、医師や看護師と比べて、直接患者の体や血液に触れることもないためリスクが少ないし、体力的にも比較的楽な仕事です。

学力面でも薬学部は医学部ほど難しくもありません。

現在の社会情勢や、実際に叶うかどうか、という難易度を考慮した場合、薬剤師という職業は小学生が将来の夢として抱くのにかなり現実的なのではないかいうことです。

まー、でも、昔の小学生の夢なんて、それこそ夢みたな仕事、サッカー選手だったりプロ野球選手だったり、あるいはお嫁さんだったり・・・そういうもんだったような気もしますけどねぇ。

大人になって薬剤師になりたくなったら遅い?小学生から考えるのは有利


本当に薬剤師になったり、薬学部へ進学するのであれば、小学生の頃から「将来の夢は薬剤師」と意識するのはとても需要だし、有利だと思います。

というのも、高校生くらいになってから、ふと薬剤師になろうと思っても遅い場合があるからです。

特に将来の夢や何になりたいか考えていないと、それまであまり勉強してないケースがありますよね。

薬剤師の場合、6年制の薬学部に通わないといけないですから、それなりの学力が必要になります。

私立の薬学部であれば、それほど学力が必要ないところもありますが、結局、薬剤師国家試験や卒業試験で苦労することになりますし。

小学生くらいで将来の夢があまり勉強しなくてもOKな職業だったり、夢がなかったりすると、気づいたときには、もう手遅れで、学力によって行ける大学・なれる職業がうんと限られてしまったりします。

子供のころ、10代のころに勉強をあまりしないということは、知らず知らずに可能性をどんどんせばめていくことです。

気づいた時には手遅れ。


「将来の夢は薬剤師」という小学生と親へのアドバイス


小学生の時点で「将来の夢は薬剤師」と言えるのって素晴らしいことだと思います。

医療関係の仕事に就きたいといえるのって、少なからず「人の役に立つ」ということを意識している証拠ですし、将来、大人になって、仕事をして社会に貢献する、ということが理解できているわけですから。

薬剤師なんて、ある意味マイナーな職業にたどり着いているのは、きっと、たくさんの職業のなかから、よく考えて選んだからですよね。

いくつかアドバイスをするとすれば、まず、将来の夢が薬剤師なら、たくさん学校の勉強をすることです。

まず、大学の薬学部に行くには、小学校、中学校、高校時代にしっかり勉強して、ある程度良い成績をとれてないと難しいです。
特に高校3年間の勉強は難しいし、きついと思いますが、頑張ってください。

次に、薬剤師を将来の夢にしつつ、その周りの職業にも興味を持ってみましょう。

例えば、薬剤師を目指していて、思ったよりも学校の成績が伸びたら、より難しい医師を目指してもいいんです。

成績が伸びなかったら、ちょっとだけ大学の難易度を下げて、看護師を目指したり、専門学校に行ってなれる医療系の仕事だってあります(例 検査技師、放射線技師)。

薬剤師が将来の夢であっても、できるだけ近いもの、別のものになったって良いということですね。

もう一つ言っておくと、現在、小学生の人が、薬剤師になるころには世の中は変わっていると思います。

小学6年生が、薬剤師になるのは、中学3年間+高校3年間+大学6年間の合計12年後ですよね。

そのころには、薬剤師になるための方法や役割、求められるスキルが変わっている可能は大きいです。

そのような変化を時々気にしながら、自分の中にある薬剤師像をアップデートしていってください。

将来、本当に薬剤師になったときに「こんなはずじゃなかった」と思うのは悲しいことです。

それでは今回はこれ位にしておきます。

では。

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